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矢花くんとLINEを交換して2週間が経った。大光絡みのやりとりが終了してから何を送って良いのか分からず、そこで止まっている。友人が「今日何したか聞くだけでも話広がるよ」とアドバイスをくれたが、世間話を繰り広げる間柄なのか?と考え出してしまい結果何も送れなかった。
「A、ゼミ行く?」
「行くよー。大光行かないの?」
「行く・・・・・・けど腹痛い、さっき食べたタバスコかき氷当たったかもしれん。教授に言っといて」
「大光チャレンジは家でやりなよ・・・・・・」
案の定お腹を壊した大光から『俺今日出れない。帰る』とLINEが来ていた。教授からは「家が隣だから」という理由で大光へのお遣いを任され、預かったレジュメを大光の家まで持ってきた。一応消化に良い物も用意して。
「お邪魔します」
事前に行くことを連絡しておいたからか、鍵は掛かっていなかった。リビングには居ないから部屋かな。
「大光入るよ?」
「んー」
部屋の中に入ると、布団の塊がベッドの上に転がっているのが見えた。がばっ。布団の中から顔だけ見せた大光は私をじっと見つめて何も口にしない。
「・・・・・・ぶりっ子?」
「してねえよ」
依然として布団にくるまる大光は、のそのそと動きだしたと思えばミニテーブルの前に座って斜め前を指さした。『座れ』ということらしい。
「まだお腹痛いの?大丈夫?」
「・・・・・・彼氏出来た?」
「出来てない」
「嘘つくの無し」
「ホントだから!何でそんな悲しい嘘つかなきゃいけない訳、しかも大光に」
キレる私を前に大光は「ふーん」とシラーっとした反応をしている。正直に答えたのにこの反応、なんて失礼な奴だ。
「矢花とLINE交換した?」
「うん」
「好きなん?」
「は?何で?」
「だって彼女いるか聞いて・・・・・・ア゛」
全て言い切る前に黙りこくった大光。自分が失言してしまったことに気付いたらしい。大きく空いた口を塞いでいるが、口から出てきた言葉を戻すことは出来ない。
「大光・・・・・・起きてたの?」
「いや、その「嘘はダメだよ」・・・・・・起きてた」
「いつから起きてたのか詳しく」
「はい・・・・・・」
幼馴染と言えども歳は私の方が2個上。口喧嘩なら負けたことはない。狸寝入りをした挙句会話を盗み聞きしていた可愛い幼馴染に、詳しく自供してもらおう。
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しあわせならあくしゅしよ(プロフ) - ☆さん» ( ; ; )ありがとうございます!お待たせしてしま申し訳ないです、書く気力がじわじわ戻りつつあるので最後まで楽しんでいただければと思います・・・・・・‼️ (11月1日 19時) (レス) id: 8632b5f5bd (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - すごく好きなお話です!更新楽しみにしてます💖 (10月30日 2時) (レス) id: 576c521bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみ | 作成日時:2023年7月23日 21時