ずっと、もっと。【2】 (ページ7)

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「Aさん！お疲れ様です！」

フロントロビーのソファーに座っていた元太くんが
私に気付き笑顔で立ち上がる

「ごめん、待った？」

「ぜーんぜん！こっちです」

「外出るの？」

「出ても大丈夫？」

「大丈夫だけど！…わ、ちょっ！」

そっと私の手を握りホテルの外に出る

ホテルの目の前に広がる海辺を2人で歩く

「寒くないですか？」

「うん、大丈夫だよ」

「なーんだ、俺も上着貸したかったのに」

元太くんの言葉に、
やっぱり見てたよね、と思わず俯くと
握る手の力がほんの少しだけ強くなった

「そんな顔しないでください、今は俺との時間！」

手を繋いだままゆっくりと歩き続ける

「でもなんで海辺に？」

「んー、それはですね…このへんかな」

大きな木の前に立ち止まり元太くんが空を指す

ゆっくりと空を見上げると

目に入る景色に思わず声をあげた