カフェにて。 ページ5
「いらっしゃいませ」
薄暗い店内に、心地よい声が響いた。
案内人さんに半ば強引に連れてこられたのだが、ここはカフェ、だろうか?
案内人さんは私の疑問を、微塵もしない様子で気にしないで近くのイスに腰を掛けた。
「どうぞ」、と案内人さんが微笑めば、私はその声に合わせて、ゆっくりと座る。
「さて、何から話しましょうか」
私に至っては話の内容以前に、ここはどこなのかも分かっていなのだが。
ふと、そんなことを考えていれば、店員さんであろう人の「どうぞ」という声が聞こえた。
私の手前に、白いカップに注がれた焦げ茶の飲みものに、とびきり美味しそうなシフォンケーキが置かれていく。
いつの間に頼んだんだ、と彼をちらりと見れば、私の視線に気付いたようで「どうぞ」と店員さんの真似をするように笑顔で答えた。
「…………」
……果たして案内人さんは、本当に良い人なのか?
そんな考えが頭を過ぎる。もしかしたら、毒が入っているのかもしれない!
……なんてことは考えず、私はケーキを頬張った。
控えめな甘さが、私の口いっぱいに広がる。
……美味しい。
私は惜しむように、ゴクリと飲み込むと、白いカップの中にピッタリ注がれた液体を見た。
私は傷一つないカップを持ち、口元に近付けた。
ココアの香りが脳内を満たし、思わず顔が綻んでしまう。
……美味しい。
思わず二回同じことを思ってしまった。
だが美味しいものは仕方がない。
「ふふっ、お楽しみのところ宜しいでしょうか?」
案内人さんに笑われると、恥ずかしさが込み上げで来る。「……はい」と返事をすると、案内人さんは、表情を崩さぬまま話し始めた。
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レンスイ(プロフ) - こんにちは! 以前感想の依頼を頂いた者です! 大変遅くなり申し訳ありません泣 こちらの作品の感想書かせていただきました! すっごく世界観とキャラクターが好みです! これからの展開を楽しみにしております! (2019年2月8日 9時) (レス) id: 85db579f44 (このIDを非表示/違反報告)
縁緑結絆 - tAkiさん» 仲間!もう色々と仲間!災害だからどっちも性別ないから!だから結婚しよ!大丈夫だよ!(何がだよ) (2019年1月21日 19時) (レス) id: 3d5a543501 (このIDを非表示/違反報告)
tAki(プロフ) - 縁緑結絆さん» 授業は受けなさい!!!!(真面目に受けたことない人) 私も天災だわ!!そこのとこ譲れないわ!!!← (2019年1月21日 17時) (レス) id: 8f36cf8930 (このIDを非表示/違反報告)
縁緑結絆 - tAkiさん» …え?縁さんが絵を描き始めたら汚物生産機と化すよ?授業中も瞳屋さん描いてたんだけど!どうしてくれんの!おい!天才!ちなみに言うと縁さんは天災!← (2019年1月21日 15時) (レス) id: 3d5a543501 (このIDを非表示/違反報告)
tAki(プロフ) - 縁緑結絆さん» OKOK!何が言いたいのか分かった!!縁さんが汚物を生み出すなんて有り得ないから!!!あとタキさん天才だから!!!!←← 結婚はしません(ニッコリ) (2019年1月21日 7時) (レス) id: 8f36cf8930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tAki | 作者ホームページ:https://www4.hp-ez.com/hp/takinosumika
作成日時:2018年12月22日 20時