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あの後、時間を置いて戻ったリハ室に みつの姿はなかった。
玉森もいなくて…、ガヤもいなかった。
横尾さんと宮田が奥で深刻そうな顔をして話していて、うっすらと嫌な予感がする。
それを顔に出さないようにして、みつたちは？ と訊くと、キタミツは具合が悪くて別室で休んでると宮田が言った。
「宮田、部屋教えて」
「あー…」
「ニカ、ゆっくり休ませてあげな」
「別に顔見るくらい…っ」
頭ごなしに横尾さんに言われてムッとすると、たまが付き添ってるから大丈夫だよ、と口調は柔らかいのに すごい硬い表情で横尾さんに止められてしまった。
横尾さんの頑なな感じに、落ち着かない宮田に、具合が悪いだけじゃないんじゃないかって不安が募る。
でもそれ以上押し切ることもできなくて黙っていると、オレの後ろにいた千賀が袖を引っ張った。
少しだけ振り返ると、不安そうな顔の千賀と目が合う。
…わかってるよ。
これもオレたちが知らない方がいいことなんだろ？
そのくらい、わかってる。
でも、みつの顔が見たい。
いつもみたいに笑って欲しい。
あんな、あんな変に明るい声じゃなくて。
オレ、話聞くから。
きっとみつは本当のことなんか話してくれないけど。
それでも気が紛れるなら、話聞くから。
……それだけしか、できないから。
悔しくて握り締めた手のひらに爪が食い込んで、その鈍い痛みが、尚更に自分の無力さを痛感させた。
結局、みつは収録開始の30分ほど前に玉森と一緒に戻ってきた。
みつの姿を見た時は、みつのためとか欠片も頭になくて、ただもう自分の不安を拭うために飛びついていた。
でも飛びついた みつの身体が熱を持ったみたいに熱くて、そのまぶたは腫れていて、聞くまでもなく泣いていた事がわかる。
みつが泣くなんて…
なぜかその事にものすごくショックを受けた。
途端にリハ室での一件は単にキッカケなだけで、色んな事が重なって具合が悪くなったのかもと、また不安になる。
だって、オレだってみつと上手くいかない時があったから。
悩んで、とにかく食らいついていった方がオレとみつらしいと思っていたけど、それがオレが思っていた以上の負担になっていたら？
一度マイナスに向かった思考はモヤモヤとオレを苦しくさせる。
ねぇみつ。
オレはまだ面倒かけてばっかな出来の悪い弟？
その不安を口に出すオレをみつが笑い飛ばす。
「本当バカだなぁ、ニカは」って。
いつだって、その言葉は魔法の言葉だ。
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Kmizusawa5110(プロフ) - お返事ありがとうございます。楽しく読ませて頂きます。 (2017年4月19日 18時) (
レス) id: 3f6429dfa1 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - Kmizusawa5110さん» Kmizusawa5110さん、コメありがとうございます。私自身、明るい読後感が好きなのでそれぞれが納得出来るように持っていきたいと思っています。パスは外しましたので、お好きな時にお読みください(^ ^) (2017年4月19日 18時) (レス) id: f6011e37f2 (このIDを非表示/違反報告)
Kmizusawa5110(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。みっくんと玉森くんと藤ヶ谷くんが良い結果になればいいなと思います。パスワード、教えて下さい。続き楽しみにしてます。 (2017年4月19日 18時) (レス) id: 9aec22d661 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - yuriさん» yuriさん、いつもコメありがとうございます。メンバーサイドがある程度まで来たので次はやっと…という感じです。もう少し続きますが、また覗きに来てください(^ ^) (2017年4月18日 21時) (レス) id: f6011e37f2 (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - umenoさん、続けて更新嬉しいです。みんなの優しい気持ちでみっくんが楽になれますように。 (2017年4月18日 20時) (レス) id: c775aeb07a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：umeno
| 作成日時：2016年9月25日 4時
