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ニカのあまりにも気負いのない態度に、動揺してる自分の方がおかしいのかと、めまいがしてきた。


えぇっと…なんだったけ…
そうだ、たまが好きかって?


「……好きだよ」


「……………わかった」


はあぁ、呆れたように大きくため息をつかれた。
そのニカの態度にちょっとムッとしてしまう。俺がため息つきたいくらいなんだけど。



「…なんだよ」

「普通に好きだってことがわかった」

「普通以外に何があんだよ」

「……それ訊く?」


ガキじゃないんだからさ、やめてよ。オレ説明しないよ?
ニカは呆れた顔をして俺を見ると、またため息をついた。


「…ちょっとたまに同情するわ」

「どういう意味…」


ニカの言い方が気になって訊こうとした俺を遮り、ふあぁあっと大あくびをするニカ。


「千賀待ってると寝不足になるわー。もー寝よーぜ」

「あ… うん」


なぜか再度訊く勇気が出なくて、ニカの言葉に従った。

ペッドボトルをサイドテーブルに置くと、室内の灯りを少しだけ暗くする。
寝室のドア側に敷いた客用の布団には床置きのランプがぼんやりと優しい光を放っている。
千賀が入ってきても大丈夫だろう。


「みつー、おいでよ」

「なんだよ」

「寝かしつけてやるって言ったじゃん」

「…いらん」

「もーめんどくさいな! 歳下からの好意は全部ありがたがれっ!」

「うわっ」


抱きつかれ、抱きかかえられるようにふとんにくるまられた。



「ニカ、くっつきすぎっ」

「うるさいなー。これなら寝ててもみつ具合悪くなったらすぐ気づくでしょ。だからいーのっ」


そうだった。ニカと千賀には具合が悪くなったって話にしたことを思い出す。
ずっと心配してくれてたのかと申し訳なく思い、それ以上に胸が熱くなる。


ニカは腕を伸ばし枕を引き寄せると俺の頭の下に入れた。頭、置き心地どう? と訊いてくるから大丈夫と答えると、にへへっと笑う。



「ニカ…」

「んんー? 眠いから早く寝てよ、みつ……」


「ニカ?」


名前を呼んでも返事がない。
俺の身体の上に置かれたニカの腕を揺すると、んん〜、とくぐもった声が聞こえた。
少しして頭の上から聞こえる規則正しい息遣い。



…ふはっ!

マジか。あんなに大見得切ったのに、先に寝るのかよ。
もう…おまえ可愛すぎだろ。



「…おやすみ、ニカ」


胸を満たす温かさとニカから伝わる体温と寝息に、しだいにまぶたが重くなってくる。





意識が落ちる瞬間「おやすみ」とニカの声がした気がした。

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作品ジャンル:タレント
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Kmizusawa5110(プロフ) - お返事ありがとうございます。楽しく読ませて頂きます。 (2017年4月19日 18時) (レス) id: 3f6429dfa1 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - Kmizusawa5110さん» Kmizusawa5110さん、コメありがとうございます。私自身、明るい読後感が好きなのでそれぞれが納得出来るように持っていきたいと思っています。パスは外しましたので、お好きな時にお読みください(^ ^) (2017年4月19日 18時) (レス) id: f6011e37f2 (このIDを非表示/違反報告)
Kmizusawa5110(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。みっくんと玉森くんと藤ヶ谷くんが良い結果になればいいなと思います。パスワード、教えて下さい。続き楽しみにしてます。 (2017年4月19日 18時) (レス) id: 9aec22d661 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - yuriさん» yuriさん、いつもコメありがとうございます。メンバーサイドがある程度まで来たので次はやっと…という感じです。もう少し続きますが、また覗きに来てください(^ ^) (2017年4月18日 21時) (レス) id: f6011e37f2 (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - umenoさん、続けて更新嬉しいです。みんなの優しい気持ちでみっくんが楽になれますように。 (2017年4月18日 20時) (レス) id: c775aeb07a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:umeno | 作成日時:2016年9月25日 4時

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