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ニカとこの後のことを話そうした時、そうだ、と思いつく。
千賀の姿を探すと、鏡の前で髪の毛をいじっている。
「千賀も来る?」
「どこに?」
いきなり話を振られ、髪に持っていってる手を止め千賀は首を傾げた。
「俺んち家」
「みつの家?」
「そー! みつん家に泊まって、今日のところ含めて見直そうってことになった」
ニカがソファの背に乗り上げて俺の後を引き継ぐように説明してくれる。
千賀は行きたいけど…と言葉を濁す。
「けど?」
「オレも行っていーの?」
「ひとりもふたりも変わんないし、俺ら以外の意見も欲しいしな」
そんなこと気にしなくていいのに、そう言うと、えへへっと嬉しそうにする。
「いきたいっ!」
「おう、りょーかい」
そうと決まれば早く移動しようよ! とニカが乱雑に資料をまとめ始めた。
バサバサと音を立てながら、隣にきた千賀と話している。
これからの動きを話しているふたりの横を抜け、奥のソファで結局使わなかったリハ用のウェアをカバンに入れていると、意見がまとまったのか、みつーと呼ばれた。
はいはい、とニカ千の元に行く。まだ上半身だけ衣装だったニカが、着替えながらふたりの予定を教えてくれた。
「じゃあオレら、千賀ん家オレん家経由でみつん家行くね」
「わかった、俺は先帰ってるわ」
頷いて適当に買い出しして帰るかなー、と考えていたら、ガチャリ、と楽屋のドアが開いて静かに たまが入ってきた。
たまの姿に緊張して、なにを言おうか迷う俺の横を、ニカののんきな大声が通り抜ける。
「玉森ー! おまえも来る?」
はぁ!? と心の中で叫びながらニカを振り返る。低いたまの声が聞こえた。
「…どこに?」
「みつん家。明日のミーティングに備えて今日泊まりで見直しするからさ」
「…なんで俺?」
たまの声が硬く響く。
その声にたまを見るけど、視線は合わない。
「いや、千賀も来るし。オレとみつだけより違う角度から見たら、なんかあるかもしれないじゃん」
他意のないニカの言葉でたまの眉間からシワが和らいだ。
たまの反応を伺うようにしていると、たまがチラッと目線だけを寄越してきた。
でもすぐにニカに戻ってしまう。
当たり前だけど、怒ってるよな。
たまの態度に寂しくなるものの、仕方ないとため息をつく。
「今日は行かない」
「おう、わかったー」
ふたりのやり取りを見ていた千賀が帰り支度を終え、話に戻ってきた。
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Kmizusawa5110(プロフ) - お返事ありがとうございます。楽しく読ませて頂きます。 (2017年4月19日 18時) (レス) id: 3f6429dfa1 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - Kmizusawa5110さん» Kmizusawa5110さん、コメありがとうございます。私自身、明るい読後感が好きなのでそれぞれが納得出来るように持っていきたいと思っています。パスは外しましたので、お好きな時にお読みください(^ ^) (2017年4月19日 18時) (レス) id: f6011e37f2 (このIDを非表示/違反報告)
Kmizusawa5110(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。みっくんと玉森くんと藤ヶ谷くんが良い結果になればいいなと思います。パスワード、教えて下さい。続き楽しみにしてます。 (2017年4月19日 18時) (レス) id: 9aec22d661 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - yuriさん» yuriさん、いつもコメありがとうございます。メンバーサイドがある程度まで来たので次はやっと…という感じです。もう少し続きますが、また覗きに来てください(^ ^) (2017年4月18日 21時) (レス) id: f6011e37f2 (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - umenoさん、続けて更新嬉しいです。みんなの優しい気持ちでみっくんが楽になれますように。 (2017年4月18日 20時) (レス) id: c775aeb07a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:umeno | 作成日時:2016年9月25日 4時