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「…藤ヶ谷、離せよ」
「……」
「なぁ、藤ヶ谷ってば」
「…やめる？」
「なにを？」
「帰るのやめる？」
「……」
「…じゃあやだ」
「おまえね…」
子供かよっと反抗する北山に、どっちがだよと言いたい。
こんな冬の夜中に大事な奴を帰らすわけないだろ。
北山を拘束する両腕の力を強めれば、負けじと腕を解こうとぐいぐい押してムダな努力をしてくる。
「〜〜もおぉ、藤ヶ谷しつこいっ」
そんな震えた声を出すくせに、両腕を突っ張って離れようとする北山に腹が立ってきた。
なんだよ、それ。
「…そばにいてくれるって言ったじゃん」
さっきお前が言ったの、聞いちゃったから。
今更なかったことにとか無理だからな。
ぴたり、北山の動きが止まる。
「俺がつらい時は北山がそばにいてくれるんでしょ？…じゃあ帰んないでよ」
腕の中の北山が息を潜めて、さらに身体を丸めていくのが伝わってくる。顔が見えなくてもどかしい分、それ以外の全部の神経を北山に向けた。
「……さっきため息ついた」
「は？」
「…藤ヶ谷、ため息ついたもん」
「俺が？」
「………… 」
「もしかしてそれで帰ろうとした？」
ぐすっ、と小さく聞こえた後に、さらに小さく弱々しい北山の声。
「……めんどくさいって思ったんだろ 」
突っ張って距離を取ろうとしている両手が、また握られて、微かに震えている。
そんなこと思ってあの逃走劇？
ベッドから転げ落ちて、転んで。
……馬鹿じゃないの？
「北山って馬鹿でしょ」
「…どうせばかだよ」
「うん、大馬鹿。…でも好きだよ」
「………… 」
「そこは反応してよ」
「………… 」
「そうやってすぐ照れちゃうとこも好きだよ。照れてるところ見られたくないとこも好き。あとはね…んぐっ」
「ッ、もういい！」
指折り、ひとつひとつ挙げていこうとしたら、にょきっと伸びてきた北山の手に口を塞がれた。
「早いよ、まだ言いはじめたばっかなんだけど」
「……やっぱ帰るっ！」
「帰さないってば」
「はなせっ、藤ヶ谷っ！」
「だーめ。いい加減諦めなよ」
北山の粘り強いとこも好きだけど、今日に限っていえば往生際が悪いよ。
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かおり(プロフ) - いじらしいKさん可愛すぎます！！！それを愛でてるFさんも最高です！！ (11月5日 11時) (
レス) @page28 id: fcc852425b (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さん、コメありがとうございます。長いことお待たせいたしました。移行先でもカメスピードですが、お付き合い頂けると嬉しいです♪ お互い大事すぎて不器用になるふたりを見守ってください(^ ^) (2019年4月29日 13時) (レス) id: 2349843d27 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - yikumiさん» yikumiさん、いつもコメありがとうございます。やっぱり長くなって移行になってしまいました汗 まだしばらく自信が持てないKさんが続きますが、きっとFさんが包み込んでくれるはず…！移行先でもお付き合いお願いいたします(^ ^) (2019年4月29日 13時) (レス) id: 2349843d27 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - けっピーさん» けっピーさん、コメありがとうございます。こっそり戻ってきました(^_^;)相変わらずのろのろ更新ですが、気が向いたら遊びに来てください。いじらしいKさんも可愛いですが、早く幸せそうなKさんに辿り着きたいです！ (2019年4月29日 13時) (レス) id: 2349843d27 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - こんばんは。この作品が大好きで、続きを待っていました。めちゃくちゃ嬉しいです！切なくもいじらしい２人に悶絶しています。この先も楽しみにしています！！！ (2019年4月6日 1時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：umeno
| 作成日時：2017年12月18日 19時
