検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:420,880 hit

03 ページ3

.


「……なんでいんの?」

「開口一番がそれかよ?」

「……足邪魔。閉めらんないんだけど」


落とした視線の先、ドアの隙間から北山の足が半分くらい玄関に入っている。

ドラマでよくある傍若無人な刑事のように、北山は閉まる寸前のドアに自分の足を差し入れることで俺がドアを閉めることを阻止している。


「お前が締め出そうとするからだろ!?」

「招かざる客には当然の対応だと思うけど」

「お前ね…。その言い草ってひどくね?」


頬を引きつらせながらも、かろうじて笑顔を保つ北山が足の幅の隙間からねだってくる。


「なー、入れてよ」

「……なんで?」

「門前払いとか、普通なしだろ!?」

「約束してないし」

「そうだとしても知らない仲じゃないじゃん」

「やだ」

「藤ヶ谷〜! いれーろーよー!」

「ちょっと! 近所迷惑! 騒がないでよっ」

「入れてくんないならもっと騒いでやる」

「はぁ!?」



「…なぁ、入れて?」


ドア一枚、もっと言ってしまえば隙間15cmでの攻防が続く。それでも必死の抵抗も虚しく、結局は俺が陥落してしまう。

隙間から妙に上目遣いで見上げてくる、意識的なのか無意識なのかわからないクソチビに、はあぁぁ、とため息が出た。


基本は常識人のくせに、こういう時の北山は絶対に引かないんだ。
それがわかってしまうからこそ、閉めようとしていたドアノブを渋々離した。



廊下の室内灯に照らされた北山の顔がにっこり大きく微笑む。


「おっ邪魔しまーす!」


行儀のいい侵入者がするりと脇を通り抜けた。



勝手知ったるなんとやら。
スニーカーを脱いだ北山は迷いなくリビングへと続くドアに向かっていく。


その後ろ姿を気分も重くながめて、知らずまた ため息が出た。

04→←02



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (584 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1206人がお気に入り
設定タグ:藤北 , 横北 , Kis-My-Ft2   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かおり(プロフ) - いじらしいKさん可愛すぎます!!!それを愛でてるFさんも最高です!! (11月5日 11時) (レス) @page28 id: fcc852425b (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さん、コメありがとうございます。長いことお待たせいたしました。移行先でもカメスピードですが、お付き合い頂けると嬉しいです♪ お互い大事すぎて不器用になるふたりを見守ってください(^ ^) (2019年4月29日 13時) (レス) id: 2349843d27 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - yikumiさん» yikumiさん、いつもコメありがとうございます。やっぱり長くなって移行になってしまいました汗 まだしばらく自信が持てないKさんが続きますが、きっとFさんが包み込んでくれるはず…!移行先でもお付き合いお願いいたします(^ ^) (2019年4月29日 13時) (レス) id: 2349843d27 (このIDを非表示/違反報告)
umeno(プロフ) - けっピーさん» けっピーさん、コメありがとうございます。こっそり戻ってきました(^_^;)相変わらずのろのろ更新ですが、気が向いたら遊びに来てください。いじらしいKさんも可愛いですが、早く幸せそうなKさんに辿り着きたいです! (2019年4月29日 13時) (レス) id: 2349843d27 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - こんばんは。この作品が大好きで、続きを待っていました。めちゃくちゃ嬉しいです!切なくもいじらしい2人に悶絶しています。この先も楽しみにしています!!! (2019年4月6日 1時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:umeno | 作成日時:2017年12月18日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。