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準備が出来てるって。何故彼女たちが準備物を知っているのか疑問に思う。何故、と聞きたかったけど2人のあまりの真剣さに術が終わった後にでも詳しく聞くことにした。
「じいさんや」
奥さんがじいさんを呼んで旦那さんは部屋を出ていく。ゴソゴソと物を漁る音がし、戻ってきた頃には煤を被ったしわしわの顔と深みのある青いニットに埃をつけて戻ってきた。その手にある箱の中身はきっと。
床に置いて、ダンボールの蓋が開かれる。中には鋏と手鏡、優勝杯のような杯が入ってあった。これを見て何か呪いの類いでもやるのかなと思われるけど、人の容姿を他人から見ても自分から見ても変えることは呪いのようなものだ。しかし、魔法をかけた本人によって解けるものなので拘束性はある意味薄い。
「ああ先生、髪は私に切らせてちょうだい」
「じゃあお願いします」
「ふふ、1度娘の髪の毛を切るのが夢やったんよ」
「……私はあなたの娘じゃないです」
「そう言わんといて」
さあさあと手招きされて彼女に近寄る。グルッペンを旦那さんに預けた奥さんの手にはあの鋏。見た目は至って普通。だって普通の鋏だからね。切られた髪に利用価値がある。
「ご希望の長さは？」
「お任せします」
この静かな空間に切断される音だけが膜を揺らす。髪の長さにこだわりは持たない方でどのくらい切られても構わないけれど、結構ざっくりいかれてる気がする。忙しい日々を送り、ろくに手入れをせず伸ばし放題だった長くてパサパサな髪が床に落ていく。目を閉じて彼女の優しい手つきが新しい私へと作り替えていくのを待った。
ええよ、と後ろから優しく声をかけられ目を開ける。手鏡で奥さんが見せてくれて変わった自分を見て驚いた。無駄に長かった髪が鎖骨くらいまで短くなり、前髪も眉毛を超えない程度に切りそろえられている。毛先も梳かれているし
まるで美容師に整えてもらったみたい。
軽くなった髪の毛と同時に心なしか気持ちも軽くなった気がする。杖で散らばった髪の毛を寄せ集めそのまま杯に入れる。
「アクアメンドゥア」
杖から水を湧かせくるくると回した。殆どの髪の毛が水に浸ったら脱色の呪文を呟く。みるみる透明だった水が黒に、黒かった髪が白に変わっていき白くなった髪の毛を取り出して捨てる。あとはこの水をグルッペンの頭皮に浸して根本まで魔力が通ったら完成だ。赤ちゃんは頭が小さく髪の毛もあまり生えていないので比較的やりやすい。
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あろま(プロフ) - 佛无さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！涙は責任取って拭かせて頂きますね( ・ω・)つ［ハンカチ］ (2018年4月26日 5時) (
レス) id: 1d2227b96e (このIDを非表示/違反報告)
佛无 - 涙止まんないじゃないっすかぁああ (2018年4月14日 17時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 星空りゅなさん» コメントありがとうございます！そうなんですゾムさんの話も考えてあります！メインとして出ない方もおりますが、全メンバー出せるように構成しています！是非お楽しみください！ (2018年3月25日 9時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - ふぁっ！？ぐ、グルッペンバージョン…だと！？嬉しいです！…ﾊｯてことはゾムさんもいつか…？(ｿﾜｿﾜ更新頑張ってください！待ってます！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 8876898f76 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 通りすがりの変人さん» コメントありがとうございます！実は完結ではないんです！この後にもほかのメンバーでの話をアップしていく所存なので、是非そちらも読んで頂ければ幸いです。最後の部分はどうまとめるか悩みましたが、そう言っていただけて嬉しいです！ (2018年3月13日 8時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま | 作成日時：2018年2月19日 6時
