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その日は予め予約していた老夫婦が暮らす家へ出張診療に出かけたときだった。午前の診療が終わり、休憩時間中にその老夫婦の元へ移動し、診察をする。
彼らは老いてながらも2人で支え合い、人の良い笑顔を浮かべる優しい夫婦だ。そんな夫婦に出向いたのは奥さんの肺が悪性腫瘍に患ったからだ。最初彼女を診察したとき、まだ腫瘍が大きくなくて取り除くことも可能だったのだが、本人が「これも神様のお導きねぇ」と治療を断った。旦那さんにもよろしいのですかと聞くと「彼女がそう決めたんなら」と受け入れていた。
それならば医者である私は完治を押し付ける訳にもいかない。しかし、苦しんでいる患者をみて何もしない訳にもいかず、薬で痛みを和らげるだけでもとお願いをしたところ了承してくれた。だから私は今日も奥さんの状態を診て、薬を出すだけだ。
「いつもいつもおおきに、先生」
「医者ですから。患者を放っておくことはしません」
「優しいなぁ。Aさんが先生でよかったよ」
「ええほんまに。目の黒いうちにA先生の旦那の顔を拝みたいわぁ」
「何言ってるんです。相手なんていませんし、作りませんよ」
だって魔女と人間じゃ寿命が違いすぎる。愛し合っても1人残されるのなら、誰とも関わらず1人でいた方が楽だ。そう口に出すことなかったけど、この夫婦なら私が何考えてるかなんて分かるんだろうなぁ。
「子供の顔でもええよぉ」
「だから出来ませんてば。今日はもう失礼しますね」
「いつもありがとう先生」
偶に本当に彼女が患っているのが疑問に思えてくる。この地方特有の訛りで言葉を喋って、笑っている姿に弱さなんてない。また一週間後に元気な姿出会えることを願って、老夫婦のもとを後にした。
診療所に戻ったその後も患者の治療や診察に見舞われ漸く最後の1人を見送った頃にはへとへとだ。
「つっっかれた……」
患者には決して見せられない疲労でよろよろな体が待合室のソファにダイブする。普通の魔法を使うのとは違い、治療や人の心を視る魔法は魔力の消費が激しく、さらに神経も使うのでいつも診察が終わったら電池切れのように体が動かない。
それでもここで寝るわけにはいかず、ノブを回して内装を変えに眠気眼で玄関に向かう。ガチャりとノブを回せば後ろでは音もなく我が家の内装に変わった。
よし、ご飯食べようと踵を返した途端、後ろからノックが2回音がした。
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あろま(プロフ) - 佛无さん» コメントありがとうございます！嬉しいです！涙は責任取って拭かせて頂きますね( ・ω・)つ［ハンカチ］ (2018年4月26日 5時) (
レス) id: 1d2227b96e (このIDを非表示/違反報告)
佛无 - 涙止まんないじゃないっすかぁああ (2018年4月14日 17時) (レス) id: c25a3a0724 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 星空りゅなさん» コメントありがとうございます！そうなんですゾムさんの話も考えてあります！メインとして出ない方もおりますが、全メンバー出せるように構成しています！是非お楽しみください！ (2018年3月25日 9時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
星空りゅな - ふぁっ！？ぐ、グルッペンバージョン…だと！？嬉しいです！…ﾊｯてことはゾムさんもいつか…？(ｿﾜｿﾜ更新頑張ってください！待ってます！ (2018年3月22日 21時) (レス) id: 8876898f76 (このIDを非表示/違反報告)
あろま(プロフ) - 通りすがりの変人さん» コメントありがとうございます！実は完結ではないんです！この後にもほかのメンバーでの話をアップしていく所存なので、是非そちらも読んで頂ければ幸いです。最後の部分はどうまとめるか悩みましたが、そう言っていただけて嬉しいです！ (2018年3月13日 8時) (レス) id: 0dbea69be7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あろま | 作成日時：2018年2月19日 6時
