４５話 ページ46
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＝一郎side＝
夜に開いていて、客層が若い店を片っ端から調べ、特別な収穫こそなかったが言い知れぬ達成感に満たされながら家に到着した。玄関にはすでに二人の靴があるから、もう帰ってきているんだろう。
「ただいまー」
三郎「あ！一兄、おかえりなさい！」
「おう！ただいま」
三郎「新宿はどうでしたか？」
「いやー。とにかく店が多くてな、調べるのが本当に大変だった。そっちはどうだった？」
三郎「運よくフユトさんに会えたので、行動をメモしてきました！」
まじか。対象者の動きをメモしてきたなんて、新宿を走り回って満足していた俺がしょぼく見えるじゃないか。
手を洗ってリビングに戻ると二郎もテレビを見てくつろいでいた。
「二郎もお疲れさん」
二郎「お、兄ちゃん。おかえりー」
「フユトさんに会えたんだってな。すごいじゃないか」
二郎「へへっ。ま、俺にかかればこんなの朝飯前だぜ！」
三郎「お前の功績といえばフユトさんを見つけたことだけだろ」
この二人はしょっちゅういがみ合っているが、なんやかんやで仲良くやっているから安心できる。年の割にしっかりしている三郎と少し抜けているけど意外に周りを見ている二郎でいいコンビなんだろう。
「なるほど･･･最後に新宿行きに乗ったのか」
三郎「はい。こっから先は追えなかったんですが」
「いや、初日にしては十分すぎる情報だ。よく頑張ったな」
三郎「っ！ありがとうございます！」
そうはいっても、これからどうしたらいいかはイマイチピンときていない。ナツエさんの職場が新宿にあり、帰社ぐらいの時間によく見かけるらしいが、肝心の退社時間を聞き忘れていた。証拠を集めるにしても目安がないと集めようがないだろう。
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作者名：梅昆布茶 | 作成日時：2023年4月29日 16時
