25話 ページ26
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佐伯「さようならー!」
「ありがとうございました〜」
伊坂「さよなら〜!」
やっと全部回り終わった。今日一日で5年は老けた気がする。
5年老けたら姐さんは三十代の仲間入りか。じゃあこれはお口チャック案件だな。
伊坂「あ〜びっくりした!あなたったら急に静かになっちゃって」
「だ、だって、目の前に本物のヤー様がいたんですもの。なんか変なこと言ったら東京湾に沈められるんじゃないかと思っちゃって」
伊坂「もう、いやーね。お陰様で割引券まで貰っちゃったじゃない」
「へへ、私のおかげっすね」
伊坂「んなわけ」
クレープ屋には着いたはいいものの、今日はやけに並んでいる。休日だからだろうか。
帰れ!みんなお家に帰れ!と呪いでもかけておいてやろう。
「あーあ、こういう時にお役人特権使えたらなー」
伊坂「なんて事いうの。恥ずかしい」
「そう思いません?なんのためにこの服着てんだっつーの」
伊坂「これは部活のユニフォームみたいなもんなの」
「ハァ・・・ほんと使いどころのない服」
結局ちゃんと順番が来るまで並ぶことになってしまった。
もちろん並ぶのは当たり前のことなんだけど、既に口の中がクレープになっていたばっかりにこんな思いをする羽目になっているんだから、この怒りはどこに向けたらいいのやら・・・
店員「はーい、じゃあ次の方どうぞー。・・・おや?Aちゃんじゃないか!ひっさしぶりだなー!」
「こんにちはー、伊坂さんも一緒なんですよ」
伊坂「どうもーお久しぶりです」
店員「おぉ!二人で来てくれたのかー!!じゃ、ちょっとサービスしちゃおうかな?」
「あ、すいません。とっても嬉しいんですけども、今日は割引券持ってるので大丈夫です」
店員「え?割引券?」
・・・あれ?
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作者名:梅昆布茶 | 作成日時:2023年4月29日 16時