２４話 ページ25
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＝銃兎side＝
今日は中王区から役人が来ると聞いて左馬刻の事務所に集まっていた。
当たり前のように左馬刻はこの予定を忘れており、俺と理鶯が事務所にやってきてからようやく思い出したらしい。リーダーだというのに頼りないやつだ。
理鶯「銃兎、少し聞いてもいいか」
「はい、なんでしょう？」
理鶯「さっきの二人をよく知っているようだったんでな、どこで知り合ったのか気になっていたんだ」
「あぁ、そのことですか。去年、Aさんをうちで預かっていたんですよ」
左馬刻「警察でか？」
「ええ。なんでも警察の仕事に関心があるとかで」
理鶯「ほう。まだ若いというのに熱心なんだな」
それは俺も思っていた。たかが１４の小娘、まだまだ選べる道はあるだろうにと。
左馬刻「子供ができる仕事なんて警察にあんのかよ」
「決まった書類にハンコを押すとか、時々現場に顔出すとかもしてましたよ」
理鶯「なるほどな」
「まあ、私から言わせてみれば散々保管庫を漁られていい迷惑でしたけどね」
左馬刻「とんだクソガキじゃねえか」
「っ･･･あぁ、そうだな」
いや、別に何もおかしいことは言っていない。だた、左馬刻が微笑んでいるように見えて度肝を抜かれただけだ。”微笑む”という表現を左馬刻に使う日が来るなんて思ってもみなかった。
思い返してみれば、あの二人が来てからの左馬刻の振る舞いもどことなく違和感があった気がする。あんなに初対面の人にモノをあげるなんてこと、今まであっただろうか。
「なぁ、左馬刻･･･」
左馬刻「あ゛？」
･･･やっぱり気のせいかもしれない。
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作者名：梅昆布茶 | 作成日時：2023年4月29日 16時
