翔side ページ32
智『さっきから聞いていたけど何なの？』
じいさん『智、止めなさい』
翔『何が言いたいんですか？』
智『君だけ言いたいことだけ言って、それで逃げるの？』
翔『俺は逃げてない』
智『逃げてるじゃん、じいちゃんがその傷を指摘した瞬間にさ』
翔『貴方に何が分かるっていうんですか？！俺の何が』
智『分かるって言って欲しい？
残念だけど、おいらはエスパーじゃないし、頭も良くないからちゃんと言葉にしてくれなきゃ分からないよ』
…確かにそれは正論だ
だけど、言ってどうするの？
貴方達だって、どうせ離れるんでしょ？
あの人達みたいに…
智『“助けて”って一言でもいい
難しいなら、手を伸ばしてくれるだけでもいい
…おいら達は、絶対に君の手を離したりしない』
翔『簡単に言わないでください！そんな綺麗事並べても所詮は他人ですよね？！
どうせ、貴方達も見捨てるんでしょ？
どうしようもない俺の全てを知ったら…』
そう言いながら俺は、玄関のドアを開けた
…この一歩を踏み出せば、俺はこの人達と関わることは一生なくなるだろう
そうなると今までの日常が繰り返されるだけになる
昼間誰とも話さず仕事をして…会社の人にはいじめられたり、贔屓にされ…
家に帰れば、会社の人から俺の仕事具合を聞いた両親が俺を罵倒しながら殴り、弟にはバカにされ…
寝る前に手首を切って自分が生きていることを実感してベッドに入る
…あれ？俺いつまでこんな生活続ければいいの？
俺が死ぬまで一生終わらないの？
翔『…何でっ』
そう実感すると同時に、俺の目からはなぜか涙がポロポロと流れてくる
何年も続けてきたことが、また繰り返されるだけなのに何で？
智『ほら、口では強がってても心は本当は限界にきているんでしょ？』
翔『それは』
智『君はおいらの名前を知っているけど、おいらは君の名前を知らない
君がここを出ていってしまったら、奇跡でも起こらない限り、君を探し出すことはできないしSOSを出してても守ることができない
…まぁ、確かにおいら達は君にとって赤の他人だからすぐには信頼できないと思う
だから、選んで欲しい
おいら達との生活を選ぶか、今までの生活を選ぶのか』
彼が言いたいこと…つまり、この先誰と過ごしたいかってことだ
無論、今までの生活を続けていれば、お金に“は”困らない生活を送れるだろう
でも、本当は心の底で思っていたのだろう
だから、俺は振り返り2人に言った
翔『貴方達といたい。あと…助けて』
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うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
