翔side ページ26
それでも、心のどこかで期待していた俺は気づかない振りをして親のいいなりになった
それが功を奏したのか、無事に母親が卒業した大学に入学することができた
でも、ここでふと思った
あれ、今まで友達っていたっけ？って
小さい頃から勉強や習い事が優先で
何度か同級生に放課後遊びに誘われても全て断って
それが何度も続けば、教室で孤立していって…
陰で俺のことを「いいこぶっている」「ガリ勉」「空気読めない奴」と言われているのは知っていた
それは小中高同じで、行事中は俺の周りには誰もいなかった
だから、大学は心機一転今までの学生生活を取り戻そうとする勢いで
形から入るために、金髪にしたりヘソや耳にピアスをあけたりしたんだけど…
学校が学校だからかそんなギャル男姿は俺くらいしかいなくて
そんな俺に話しかける人は誰一人としていなかった
親は親でそんな俺の姿をまるでゴミを見るような目で見て罵倒した
『こんな奴、櫻井家の家系に必要ない。二度とこの家の敷居を跨ぐな！』
と追い出され、その日から俺は一人暮らしを開始した
まぁ、そんな感じで始まったから全てが手探りで料理はやり方なんて分からないから、毎日コンビニやスーパーの弁当だった
だけど、仕送りがあるわけじゃないから何個かバイトを掛け持ちして…
それでも大学の勉強と両立しないといけないから
一ヶ月のうち寝られる日は片手で数えられる程だった
そんな無理な生活をすれば身体にも限界がきて、
バイト中、俺は過労で倒れた
それが親や大学の耳に入り、俺は自ら退学を申し出た
表向きではこのままだと勉強に集中できないという理由だったが、
本音は違った
人間関係や勉強、日々の生活
全てに疲れ、ただただ逃げたかった
退学したその日のうちに実家へ戻るとあいつらは俺のことを心配するどころか
罵倒し、俺が気を失うまで何度も殴った
父親『何をやっているんだお前は！それでも櫻井家の人間か！』
母親『どうしてくれるのよ！私、近所や親戚の皆さんにどういう顔で会えばいいか分からないじゃないの！』
翔『ご、ごめんな』
父親『申し訳ありませんだろ？！一人暮らしをしている間に敬語もできなくなったのかお前は！』
そう言いながら俺のことをひたすら殴る父親
薄れていく意識の中で
最後に聞こえたのは
母親の
『あんたみたいな奴、生まなければよかった』
という酷く冷たい言葉だった…
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うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
