目覚め ページ2
智「…もう、隠せないね」
美和「ごめんなさい、大野さん私」
智「いえ、いいんです。先生のせいじゃありません。
それに…翔くんがこうなった以上、話さないと。
“また”同じことが起きた時、おいら一人だと助けられる自信がない。
今日だって、皆が動いてくれたから翔くんは生きてる。
皆がいなかったらおいら…あのまま何も出来ずに翔くんのことコロシテイタカモシレナイ」
そう言いながら、悔しそうにポロポロ涙を流す彼
そんなことない、私も一人だったら何も出来なかった
そう一言紡ぐのも憚れるくらいの綺麗な涙だった
「ん…」
ここにいる全員が話し出すのを躊躇って沈黙ができた頃
突然私の腕の中から唸る声が聞こえてきた
慌てて確認すると、さっきまで眠っていた櫻井さんがゆっくりと目を開け、
キョロキョロと不安そうに視線を動かして
最後に私で視線が止まった
翔「えっと…ここどこ？
何で、俺“大家さん”の腕の中にいるの？」
さっきまで退行していた記憶がなくなったのか
私に対する呼び方と話す口調がいつも通りに戻ってしまった
智「翔くん」
翔「え、何で智くんが泣いてるの？」
智「翔くん、もう言おう？このままだと翔くん、本当に死んじゃうよ」
翔「え、どういう意味？」
起きたばかりで状況が整理できていない櫻井さんに
私はさっきまでのことを順を追って包み隠さず説明した
翔「そっか…だから俺ここにいるんだ」
A「あの、何でこんなことを」
翔「それ、大家さんに言わないとダメ？」
え…？
翔「別にいいじゃん。死にたいと思ったから切った。それで満足？」
…満足？
ふざけないで
私は、その言葉を聞いた瞬間
櫻井さんの頬を思いっきり叩いた
翔「…何だよ」
A「命を何だと思ってるんですか」
翔「は？あんたに関係ねーじゃん」
A「関係？…あぁ、そうですね
私と貴方は大家と住人の薄っぺらい関係ですもんね」
翔「ふは、とうとう本性現したよこの女」
…“売り言葉に買い言葉”とは正にこのことだろう
私は彼と喧嘩がしたいわけじゃないのに…
翔「っていうか、何で俺を助けたの？あのまま死なせてくれればよかったのに」
A「それ、本気で言ってます？」
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うめパンダ(プロフ) - ゆーかさん» ありがとうございます(*^ー^)ノ♪不定期更新になってしまいますが、応援よろしくお願いします！ (2021年8月5日 8時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか(プロフ) - 初見です！今日この小説を見つけて一気にここまで読んでしまいました笑この先が凄く気になります！これからも頑張って下さい！！ (2021年8月4日 17時) (レス) id: 8f1f91b32d (このIDを非表示/違反報告)
うめパンダ(プロフ) - 名無し56631号さん» ありがとうございます(*￣∇￣*)そう言っていただけると嬉しいです！ (2021年7月27日 18時) (レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
名無し56631号(プロフ) - 最近読み始めました！！とても面白いです…更新楽しみにしています (2021年7月27日 9時) (レス) id: 2035d75108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2021年7月12日 23時
