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一瞬慌てた私だったが、ふと今の状況を客観的に見る
…ちょっと待って
今、私の唇に触れている手って櫻井さんのだよね？
そう認識した瞬間、身体の動きは停止し
徐々に顔に熱が上がっていく
私の顔が赤くなるのが先だったのか
彼が我に返るのが先だったのかは分からないけど、
櫻井さんは「あ、わりっ…」と言うと私の口から手を離し私に背を向ける
彼も恥ずかしかったのだろう
背を向けてても、耳が真っ赤だから意味ない
翔「そ、それで？は、話って？」
私に背を向けたまま、だけど動揺を隠すことなく話を切り出す櫻井さんに対し
私はおそるおそるここ最近考えていたことを伝えた
A「…実はですね？」
翔「ん」
A「大野さんの誕生会と一緒に、やりたいことがありまして」
翔「やりたいこと？」
A「その…和の誕生会のやり直しを」
“やろうと思うんです”
そう言い終わる前に、櫻井さんは私の方を鬼の形相で振り向き
壊れるんじゃと思うくらいの凄い力で私の肩を掴んだ
あまりの痛さに思わず顔を歪めたが、櫻井さんは気づいてないのか
その状態のまま言葉を発した
翔「あんた、和の過去聞いたんじゃないのかよ！」
A「聞きました。和の誕生会の準備中に和の目の前でじいちゃんが倒れて、そのまま亡くなったんですよね？
せっかく自分が生まれた一年に一度の大切な日なのに、辛い思い出があるなんて悲しいじゃないですか！
だから、」
翔「何にも分かっていないんだな」
…分かっていない？
翔「あんた、和の好きな食べ物知ってる？」
A「…ハンバーグですよね」
翔「あぁ、そのハンバーグがあんたがこの家に来てから
一度でもこの家の食卓に並んでんの見たことある？」
それは…
翔「和はあの日以降、ハンバーグが食べられなくなったんだよ
大家さんが亡くなった後、ずっとバタバタしてて和の誕生会が延期になっちゃって…
特に和は、大家さんが倒れたのをこの目で見ているから、俺達よりショックを受けてて何日も部屋に閉じ籠っていたんだよ
ご飯も全然食わねーから、心配した俺達はあいつを元気付けるために
あいつの大好きなハンバーグを夕食に出して皆で食べようとした
だけど、あいつはハンバーグを見た瞬間頭を抱えて座り込み
『ごめんなさい、ごめんなさい』って泣きながら謝ってたんだよ」
…え？そんなこと和からは一言も
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うめパンダ(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます！更新は不定期になりますが、シェアハウスに住む6人の未来を温かい目で見守っていただけたらと思いますm(__)m (2021年2月14日 20時) (
レス) id: a1376d4518 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 久しぶりの更新ありがとうございます！！！(なんか上からみたいな言い方すみません！)いつも楽しみにしてます！！頑張ってください！！ (2021年2月14日 19時) (レス) id: 2cb2b05426 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年12月16日 21時
