320消えた 智side ページ37
次の日
おいらは自然に目を覚ましていた
ここ最近は歳のせいか、休みなのに入ってきた太陽の光で目覚めてたのに
なぜか今日はまだ太陽が上がっていないせいか部屋の中は真っ暗だ
っていうか、今何時だ？
寝る前に枕元に置いていたスマホを探し、時間を確認するためにボタンを押す
智「2時かよ…」
そりゃあ、暗いわけである
もう一眠りしたいとこだけど…頭が冴えてしまったため諦めた
智「今までこの時間に起きたことないんだけどな…」
これは、何かの予兆か？
あ、予兆といえば…
智「さっき見た夢…」
暗い世界になぜか、おいらだけしかいなくて…
誰かいないか必死に探して、おいら以外の5人の名前を叫びながら歩いていたら急に目の前に翔くんだけ現れて…
めちゃめちゃ嬉しかったから彼に近づこうとしたら「待って」って止められた
そして
翔『今までありがとう、皆のこと大好きだよ』
ってまるでこの世の別れみたいな言い方をされて…
嫌な予感がしたおいらは、
「おいらも大好きだよ！ずっと、ずーっと」
と言いながら彼に近づくんだけど距離が縮まらないところか、どんどん彼との距離が離れていって…
そんなおいらの様子、見えてないわけないのに翔くんは
『皆にも伝えておいて？俺がいなくても前に進んで？』
っておいらに言うと背中を向け先が見えない真っ暗な中どんどん進んで、
おいらが「翔くん待って！置いてかないで！」
ってどんなに叫んでも一切おいらの方向いてくれなくて…
あぁ、ここで目を覚ましたんだ
こんな後味の悪い夢、見ること自体結構久しぶりかも
それに何かリアリティーあったし…
ただの夢なのにね？
でも、どうしてもただの夢で片付けづらくて、こんな時間だけど迷惑も承知の上でスマホの電話帳を開いて
翔くんが入院している病院の電話番号の画面を映し出して受話器のあがったボタンをタップしようとした
すると、なぜかかける前に病院の方から電話がかかってきた
おいらはすぐにボタンを押し耳にあて、「もしもし」と応じると
相手は開口一番、「申し訳ありません！」と謝ってきた
智「…柊先生、どうしたんですか？」
柊先生「…櫻井さんが居なくなりました」
…居なくなった？
ふいに蘇るのは先程の後味の悪い夢
柊先生「うちの看護師が定時に見回りをしていまして、櫻井さんの病室を見に行ったら…」
そこまで聞いたら、後に続く言葉は想像できる
おいらは、とりあえず今から病院に向かうことを告げ電話を切った
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年1月24日 22時
