314知らなかったこと 翔side ページ31
次の日
一晩中泣いていたからか、頭痛が酷い
思わず頭を抑え、目を閉じて収まるまで待つ
これは、顔とかも凄いことになっているんだろうな〜…
ぼーっと考えていると、コンコンとドアをノックする音が…
「どうぞ」と声を掛けると看護師さんがワゴンに一人分の御飯を乗せて現れた
看護師「櫻井さーん、朝食の時間ですよ」
翔「ありがとうございます」
もう、そんな時間なのか…
俺が入院している部屋が個室だからか、なぜか時計がなければTVもないから自然とぼーっとしてしまうんだけど…どこの部屋もそうなのだろうか？
あいにく、入院したのが今回が初めてだからそれは分からないんだけどね
看護師「櫻井さーん、大丈夫ですか？食欲ありませんか？」
やば、あまりにもぼーっとしていたから食べるの忘れてた
翔「すみません、さっきまで寝てたので寝起きで…もう目が覚めたので大丈夫です」
嘘は言ってないはず…
さて、早く食べて看護師さんを安心させないと！
そう感じた俺は、リクライニングシートを看護師さんにあげてもらい、お盆に乗っていたスプーンに手を出そうとした
しかし、なぜかそれを看護師さんに止められると俺のおでこや顔を触りだし、
慣れた手つきで体温計を俺の脇にはさんだ
呆気に取られている内に軽快な音楽が鳴り、検温終了の合図を告げる
すると、俺が確認するよりも早く看護師さんは体温計を取り出し、数字を確認した
看護師「37,3℃…微熱ですね」
マジかよ…泣きすぎたから？
それとも、昨日色々情報を聞きすぎたことによる知恵熱？
どっちにしても、恥ずかしすぎる…
看護師「櫻井さん、ご飯食べられる分だけでいいですからね」
翔「はーい」
俺の返事を聞くと看護師さんはワゴンを押しながら「失礼しました。」と俺に声を掛け部屋を出てった
看護師さんの心配とは反対に俺はあっという間に平らげてしまった
さて、どうしよう…
あ、そういえば…
翔「売店に新聞売ってるよな？」
暇だから、買いにいこうっと…
そう思いベッドの柵を掴み、足を下ろそうとするがうまく力が入らない
翔「嘘だろ…」
まぁ、5年も寝てたんだから仕方がないか…
諦めた俺は、ナースコールを押しご飯を食べ終わったことを告げ
ついでに、新聞を買いにいきたいので車椅子を持ってきてもらえるようお願いした
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作者名：うめパンダ | 作成日時：2020年1月24日 22時
