ARS課の事件簿最終章 (ページ27)

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310 智side ページ27

ここまで言うと空気が動いたのが分かった。
そして、後ろから肩を掴まれ無理矢理そいつに身体を向けさせられた

潤『分かってた？ふざけんなよ！』
和也『潤くん止めて！』
潤『お前らもだよ！何なの？皆犯人について見当がついてたのに俺だけ…俺だけ何も知らなかった。
知ってれば俺が…』
智『だからだよ』
潤『は？』
智『自分以外の皆を護りたいから、黙ってたの』
潤『そんなの俺だって…』
智『何した？翔くんのお父さんに直談判しにいった？
それとも、A達4人に説得しにいった？』

そう言うと図星だったのか、彼はおいらから視線を外した

智『松潤、お前が仕事熱心だし仲間思いなのは知ってるよ』
潤『それは皆だって』
智『あと何も考えず突っ走って暴走しちゃうこともね…』
潤『…』
智『そんな真っ直ぐな松潤を皆大好きなの。おいらは、あの日みたいにその純粋さを嫌う奴等に傷つけられたくなかった。そんだけ。』
潤『そんだけって…お、俺だって我慢できるしガキ扱いすんなよ！』

我慢できるって…ふふ
そういうところがかわいいんだよな
ニノとは同い年だし普段はおいらよりも大人っぽいのに、
たまにニノより幼くなる時があるからな～…

A『私も、潤くんのそんな真っ直ぐなところ大好きだった。たまに、復讐しか頭になかった私がそばにいると汚れるんじゃって…』
潤『…ちょっと待って、え？俺は皆の中でか弱い美少女か何かなの？』

彼の問いにおいら達4人は思わず吹き出した
急に笑いだしたおいら達に、理由が分からない松潤は戸惑っている

…まぁ、それも長くは続かなかったけどね？
多分、このまま笑っていたら彼が拗ねていじけちゃいそうだからさ

智『あぁ、そうだ！他においら達に何か言い忘れていることってある？』
A『言い忘れていること…』

そう呟くと彼女は何かあったかを目を閉じ、顔を上に向けた
彼女が何かを考えている時の癖だ

A『あ、』
雅紀『何か思い出した？』
A『えっと…翔くん今病院で寝ているんだよね？』
潤『まぁ…』
A『彼が起きたらさ、今から言う私のメッセージ伝えてくれない？』

そう言うと彼女は、おいら達の返事も聞かず言葉を続けた

A『〔翔くん、今回の事件でいっぱい傷つけてしまいごめんなさい。貴方はあの人と違う…そんなのとっくに分かってたのに…
だから、貴方は何も責任を負うことはありません〕ってね…』