ARS課の事件簿最終章 (ページ23)

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306聴取智side ページ23

彼女の聴取ができたのはおいら達が起きてから約2週間が経ってからだった

警察庁の人達はすぐにでもおいら達をその聴取を行っている所轄に連れていこうとしていたみたいだけど、
まぁ案の定病院の先生達に「最低でも2週間は様子診ないとダメです！」ともう反対されたみたいで…

これにはおいら達も驚いたんだけど、翔くんが撃たれてからおいら達が起きるまで数週間は経過してたみたい
だから、お互いにリハビリを頑張って約束の2週間後には無事翔くん以外全員その日に退院までいけたんだ

その足でそのまま所轄に向かって案内された取り調べ室の中に4人で入ると
灰色の上下のスエットを着たAが椅子に座った状態で、おいら達を見て驚いていた

智『久しぶり』
A『…久しぶり』
雅紀『元気？ご飯ちゃんと食べてる？』
A『元気って…捕まっているのに元気っておかしいでしょ』
雅紀『ご、ごめん…』
A『あ、ご飯は頑張って口の中には入れてるけど身体が受けつかなくて…』

そう言う彼女の身体を見ると、言葉通り確かに最後に彼女にあった時よりは随分と痩せていて
心なしか少し、顔色が悪そうだった

A『…翔くんは？』
和也『今、必死に生きようとしています。僕達が退院するまで2、3度危ない時はありましたが、今は何とか安定しています。』
A『そう、よかった…』

そう言うと彼女は、一筋の涙を流した

潤『聴取応じてないんだって？』
A『ふふ、あの人達に聞いたんだ』

そう言うと彼女は右側にある鏡を見て、マジックミラー越しにおいら達の聴取の様子を見ている警察庁の人達を睨んだ

A『卑怯でしょ、皆も断ればよかったのに』
雅紀『そんなこと、できるわけないでしょ』
A『何で？皆あの人達に利用されているんだよ？』
潤『それでも、俺達はお前と話したかった』
A『皆が話したいのはARS課の“佐々木A”。犯罪者の私じゃない』
智『AはAだよ。何年経ったとしても変わらない』
A『動画見てないの？』
和也『見てますよ』
A『だったら分かるでしょ？！私は長い間皆を騙してたんだよ！関係ない人を巻き込んだり皆にトラウマを持たせて…仲間である翔くんにも銃を向けた最低な私に何でそんなこと言えんのよ！』

感情を剥き出しにして叫ぶ彼女
部屋の外では今にもこの部屋に入ろうとしているのが分かる
…残念だね、おいら達の邪魔はさせないよ