ARS課の事件簿最終章 (ページ1)

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284翔side ページ1

A「でも、まさかそれだけで私が犯人だと？」
翔「いや、あくまできっかけだ。それに…君が犯人だって知ると何となくふに落ちるんだ」
A「…例えば？」
翔「1つ目は、連続失踪事件をARS課で捜査をするって決まったあの日…君は珍しく俺よりも早く出勤していた」
A「ふふ、だからその日も言ったでしょ？
ただ、たまたま目が覚めただけだって」
翔「本当にそうなのか？」
A「…何が言いたいの？」
翔「本当は、いつも早く来る俺よりも早く出勤して、盗聴機を仕掛けていたんじゃないか？」

もし、何度も俺より早く来ていた日があったのならたまたまで済んだかもしれない
でも、それは後にも先にもあの日1回だけだった…

A「…他には？」
翔「君は、普段新聞を読んでいないはずなのに
智くんが連続失踪事件について語った時、
タイミングよくその新聞記事を出した…
それって、もうこの事件を捜査するって分かっていた証拠だろ？」

あの時は、久しぶりに捜査ができることに頭がいっぱいになっていたから
彼女の行動を深く考えていなかった
ただ気が利くな…しか
でも…

翔「連続失踪事件をARS課が捜査することは、智くんが発表するまでは、誰も知らなかった。
知っているのは俺の親父だけだったはず…
あと、考えられるのは俺らにこの連続失踪事件を捜査するように誘導した犯人だけ…
違う？A…」

俺が核心をつく言葉を言うと、Aは一瞬真顔になり俯いた

しかし、それはほんの数秒で突然天井を見ながら笑いだし、
田原が持っていた拳銃を奪って銃口を俺の目の前に向けてきた

A「すっごいね！暗号を作った和くんもおもしろいって思ったけど…
翔くんは私が今まで出してきたヒントをちゃんと拾ってくれている
本当嬉しいよ！」
翔「なぁ、何でお前はこんなことをしたんだ？そもそも、田原とはどういう関係なんだ？」
A「ちょっとー落ち着いてよ！」
翔「落ち着けるわけないだろ？！」

Aの態度についキレて怒鳴ると、彼女は天井に向けて一発発泡した

A「翔くん、今の状況分かってる？音聞いても分かる通り、これ本物の銃なんだよ？
さっきまで、3発入れてあって1つ無駄にしちゃったから…残り2つ。

翔くんがそのままの態度でいるんだったら、私も考えないといけないんだよね～」

そう言うと彼女は、銃口を俺から彼女の後ろにいる智くんたちに移動した