私、大家になります！～ARS～ (ページ49)

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シェルターページ49

シェルター…
単語自体は聞いたことがある
確か、現代版の駆け込み寺ような意味合いだったと思う

そういえば、何年か前の深夜ドラマでもそのシェルターを舞台にしていたような…
ん？だとしたら、疑問が出てくる

A「あの…変なこと聞いてもいいですか？」
潤「何だよ」
A「シェルターっていうことは届け出とか出さないといけないんじゃ…」

もし、そんな届け出が出されているのならイメージだけど書類とかに記載されてるはず
でも、私が大家になる前に見た書類にはそんなこと書かれていなかった気が…

そんな疑問を彼にぶつけると、なぜか彼はあぁ…と苦笑い
え、何で？

潤「何て言えばいいんだ…あの家はシェアハウスはシェアハウスだけど、住人との交流を目的としているわけじゃなくて…
かといって厳密にシェルターという括りにはあの家はなくて…」

…ん？

潤「あぁ、もう！つまり、言うなればあの家は例えていうなら“人生の休憩場所”ってことだよ！」
A「人生の休憩場所…」
潤「昔、じいちゃんに聞いたことあるんだよ。何でこんな家を作ったんだよって…」
A「はい…」
潤「じいちゃん、言ってたよ。未成年の子やDVの被害に遭っている子が逃げる場所はある。
でも、そこには該当しなくて…でも、逃げたくても逃げられない環境にいる人達もいるんじゃないかって…
だから、ワシはそんな方達の休む場所を作って、そこからまた新しい未来を切り開ける手伝いをしたいって楽しそうに語ってたよ」

…初めて聞いた
まさか、あのシェアハウスにはそんな願いがこめられていたなんて…

潤「俺は、少しでもあいつらから逃げられるようにって夢中で逃げて…気づいたらあの町に来ていた
その時に不動産屋に行ったら偶然じいちゃんに会ってあの家を紹介された
まぁ、その後興味本意で見に行ったらあの4人に出会って…今に至るって感じ」
A「なるほど…」
潤「どう？これを聞いても俺があの家に必要だと思うか？」

まるで私を試すように念を押す彼
だけど、その言葉とは裏腹に悲しそうな瞳で私を見つめる

…そんなの決まってんじゃん

A「私は、貴方が何と言おうと
あの家には…あのメンバーには貴方が必要です」