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Fuma side
『…菊池！』
あいつの声が、微かに聞こえた気がする。
いや、確かに聞こえた。
｢風磨くん…今…っ｣
松島の声を合図に3人と俺は顔を見合わせた。
｢おい！！ 中島！ 聞こえるか！？ 返事しろ！｣
確かに彼の声が聞こえた方向に向かって叫びながら走る。
もう辺りはほとんど何も見えないほど暗くなっている。
スマホの明かりだけが俺らの前を照らしていた。
｢中島！ 中島ァ！！！｣
返事は無い。
ついつい悪い想像をしてしまうのを頭を振って抑える。
あいつは絶対大丈夫。
どんな時も俺とあいつで乗り越えてきたじゃん。
俺と……あいつ？
俺………？
今日俺は、あいつと話をしたか？
ここ数週間で何回言葉を交わした？
―――俺とあいつ。
こんなに遠くなっていたことに今になって気付かされた。
ずーっと隣にいて、嫌になるくらい隣にいたせいで、
隣に彼がいることがどんなに尊いことか忘れていた。
俺にはあいつがいなきゃ、ダメなんだ。
｢ねぇ…風磨くん、1回戻らない？ 俺たちまで遭難しちゃうよ｣
マリウスの不安そうな声が遠くに聞こえる気がした。
俺は黙って首を横に振る。
絶対探してやる。
待ってろよ。
休憩していた場所の近くに崖を見つけた。
｢こんなとこから落ちたら怪我じゃ済まねぇよな｣
｢ね、別のところ探す？｣
勝利たちは崖から離れ始めたが、何となく胸騒ぎがして崖の下をライトで照らしてみる。
ん？
何かが光った。
そこを照らすと
｢中島！！？｣
中島が目を瞑って横たわっていた。
｢おい！ 中島！！｣
崖を降りようとしゃがむと後ろから勝利に止められる。
｢無茶です。人呼ぼう｣
｢……嫌だ…っ、俺が……｣
｢風磨くんまで落ちたら元も子も無いから｣
勝利は少ししっかりしすぎだと思う。
理性で解決できない問題もある。って…言い訳か。
｢……勝利とマリウスは誰か呼んでこい、
松島と俺はここに残る｣
覚悟は決まってる。
中島を助けるためなら自分が死んでも構わない。
無茶で無駄で馬鹿なことだってことは知ってる。
でも、あいつを目の前にして放っておくことなんてできるわけないから。
｢……じゃあ、呼んできます｣
勝利も何となくわかっていると思う。
たまには馬鹿な俺を許して欲しい。
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あふい - 更新待ってます。 (2021年10月10日 21時) (
レス) id: 3848730b13 (このIDを非表示/違反報告)
えびふりやあ - ハッピースクールさん» 感想ありがとうございます！！5人の絆が大好きなのでそう言ってもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします^ ^ (2020年5月27日 23時) (レス) id: cb285c3042 (このIDを非表示/違反報告)
ハッピースクール(プロフ) - いつもこの作品を楽しく読んでいます。5人の絆が凄く感じられて、えびふりやあさんの文才凄いなぁと思っています。これからも、えびふりやあさんのペースで更新頑張ってください。応援しています。 (2020年5月27日 8時) (レス) id: 831e3c9db9 (このIDを非表示/違反報告)
えびふりやあ - くるみさんじゃないですか！！！素敵な感想ありがとうございます。すごく嬉しいです^^私も陰ながらくるみさんの作品拝見しております！これからもお互い楽しんで書きましょ♪ (2020年5月11日 20時) (レス) id: cb285c3042 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 初めまして。いつもえびふりやあさんの作品，楽しく拝読させて頂いております(*^^*)とても優しい言葉遣いと，彼ら5人の良さが伝わってくるこの作品はとても素敵です！小説を書くということは物凄く大変なことですが，陰ながら応援させて頂きます(^^) (2020年5月11日 10時) (レス) id: 5c0fc337d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えびふりやあ | 作成日時：2019年8月25日 15時
