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学校の校門を抜けると、真っ白の車が前に停まっていた。
お兄さんだ。
何か用事があったのだろうか。
お兄さんは俺を見つけると車から出てきた。
碧棺左馬刻という男は同性の俺から見てもかっこいい。
歩いただけで学校の女子達がきゃあきゃあ黄色の悲鳴をあげてるのが何よりの証拠で。
「A、このあと予定は?」
『ない。お兄さんは何の用?』
未成年が大勢いるのにタバコ吸うなよ、とあしらうとお兄さんはしぶしぶタバコの火を消した。
「理鶯がお前に会いたがってんだ。ちっと顔出せや。」
『わざわざ学校に来てまで伝えることじゃねえけどさ…いいよ、俺理鶯さん好きだし。』
俺がそういい放つとお兄さんはむっとした顔で俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
『痛いし何!撫でるの下手くそかよ!』
「何でもねぇ。助手席乗れ。途中で銃兎拾うぞ。」
『え、あの人も一緒なの。』
「理鶯に言われてんだよ。」
どうせまたゲテモノ料理を食わされるだのなんだのぶつぶつ言ってるお兄さんを横目に俺は銃兎さんについて思い出していた。
あの人は会うとすぐからかってくる。
なんだか負けた気分になるから正直苦手だ。
お兄さんのなんたかのラップメンバーらしいから仲良くはするけどさ
『あ、お兄さん、来月の文化祭よかったら来てよ。銃兎さんたちも一緒に。』
「何かやんのか?」
問いかけてきたお兄さんに俺はにやにやしながら答えた。
『王子さま。』
かっこいいっしょ、と伝えるとお兄さんは顔を歪ませた。
失礼な。
「まぁ、予定なかったらな。」
『あは、楽しみにしとく!』
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