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ご近所さんのお兄さんとおれの話 ページ3
おれのご近所さんは変な人だった。
おれが8歳のときから一緒だった。
ご近所さんは口が悪かった。
ご近所さんはそのとき16歳だった。
おれからしたらものすごいお兄さんだった。
お兄さんはおれと一緒に遊んでくれた。
たくさん遊んでくれた。
前にお兄さんによく似たおれのひとつうえの女の子をずっと見ていたときにお兄さんに睨まれたのはちょっと怖かった。
それでも優しいお兄さんがおれは大好きだった。
だからおれはそんなお兄さんが夢中になって見ているドラマというのに興味がわいた。
テレビに映っている人の表情がくもるとお兄さんはむっとする。
テレビに映っている人の表情が今度は明るくなるとお兄さんはなんだか嬉しそうだ。
顔にはでていないけどそうに見えた。
そのときおれはドラマよりテレビに映っている人に興味がわいた。
おれもこの人みたいになりたい。
そんなことを考えるようになってからは
演技の練習をたくさんした
勉強よりも運動よりも
お兄さんもお兄さんによく似た女の子も母さんも父さんも
みんなおれの演技に注目してほしいっていう話。
＿＿＿＿＿＿＿＿
なんだこれ。
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