デイライトⅡ (ページ12)

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ソレイユ④ ページ12

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「すみません、お呼び立てしてしまって」

「いえいえとんでもないです。本来ならこちらからご挨拶伺うべきですし、お時間いただいてしまって申し訳ないです」

「ふふ。なんだかこれ、永遠に続けられそうですね」

「 …ですね」

何か飲まれますか？と聞かれ、無難に水を選んだ。
どうぞと手渡された何の変哲もないミネラルウォーターが急に高級なものに見えるのはきっと彼の纏っているオーラのせいだ。

如恵留さんは甘い紅茶を選ばれていた。
アイスコーヒーとか飲みそうだと思っていたけれど、あまりにも可愛らしくてキュンときた。

さりげない仕草や微笑みが何とも言えない可愛さを誇っている。
真面目な話、Travis Japanを調べてから一番最初に素敵だなと思ったのが彼だった。つまりは推し。

そんな彼が今目の前で温かいミルクティーを飲んでいる。ただそれだけで宝くじ一等に当たった気分だ。

「単刀直入にお伺いします」

「は…はい」

もしかしたら漫画でよくあるあの、うちの子に相応しくないわ！この金を受け取って身を引きなさい！みたいたやつでしょうか。

いやいや、如恵留さんはそんなことする人じゃない。

あれか、身辺調査みたいな。うちの子に変な虫がついてないかのチェックみたいな。

何にせよすこぶる真剣な如恵留さんは私を真っ直ぐ見つめたまま口を開く。

今この瞬間、隣の騒がしい声が全く聞こえないのはきっと、彼の第二の家族に認めてもらいたいという無意識からだろう。

別れろって言われたらどうしよう。
そう思った瞬間、強張っていた如恵留さんの表情が柔らかくなって目を見開く。

「元太は卯月さんを幸せにできていますか？」

「 ……へ？」

人間、想像に反した言動を目の当たりにすると本当にアホみたいな声が出るしフリーズしてしまうのだと私はアラサー目前で知ることになった。

「僕たちの職業は特殊なので、卯月さんの私生活に干渉してしまって、元太も卯月さんも葛藤することがあるのではないでしょうか。」

「 …まあ、多かれ少なかれあるでしょうね」

素直に言いすぎたかな。
如恵留さんが苦笑いを浮かべた。

「それでも、卯月さんは元太を選んだ。その理由を知りたいんです。」

沢山の人の夢や希望が凝縮されている分周りの人にも影響を与えてしまう大きなもの。

自分たちの夢が大切な人を傷つける刃になる。

いつか君が呟いていた言葉を今、思い出す。