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食堂はお昼休みという事もあっていつも以上に人が賑わっており、その出入口の真隣にあるパンコーナーを探索してみるものの探し求めている彼の姿は見当たらなかった。続いて食堂全体を見渡し、昼食を食べている大人数を一瞥するものの彼らしき人物は居らず、途方に暮れる羽目になってしまう。
大学とは広いもので、行く宛なんてものは幾らでもある。3人で頭を悩ませるものの、彼が居ない食堂に居ても意味が無いので取り敢えず外へと再び戻って近くのベンチに腰を下ろした。イライが言っていた通り、恐らく入れ違いになってしまったのだろう。
また後日に隣の学部に伺えばいい話なのだけれども、もしその彼があの時の彼だとして、話し掛ける勇気が溢れている今に出来れば会いたいものだ。また後日となるとフィオナとウィラに再び尻を叩いてもらう手間をきっと掛けさせてしまう事になる。
｢うちの大学無駄に広いからなー、見つかるかな｣
｢……あの………その事なんですが｣
途方に暮れつつも雲一つない青空を見上げながらダラダラとしていると、珍しく静かに焦りの声色を帯びたフィオナの声が聞こえたのですぐにそちらへ振り向く。するとフィオナはゆっくりと後ろを向くような体制になり、私とウィラにしか見えない位置でおずおずと何処かに向かって指を差した。
｢………あの奥のベンチに座ってる彼、もしかしてAが探してる彼…だったりしますか……？顔に傷があるんですが｣
そのフィオナの発言と様子に疑問を抱きながらも、すぐ其方の方向を振り向いた。と、同時に私たちの周りだけに氷河期が訪れたかの如くに一瞬にしてピシリと空気が凍り付いた。……フィオナが何故焦っていたのかよく分かった。私たちのそんな様子とは真反対に、春うららな気候の中で仲睦まじく昼食を食べて微笑み合っている男女が視界に映り込む。
…その男の方は、紛れもなく私が探し求めていたあの彼だった。途端にあの春の新作のドーナツの味を彷彿とする。しかしそんな余韻に浸るどろか、目の前で突き付けられたその現実に目眩がしそうな程にショックを受けた。思わず息を呑み、呼吸が止まりそうになる。
もしかしなくても、隣にいる女の子は彼の彼女なのだろうか。私が抱えていた勇気は氷河期が訪れたかの様な衝撃により完璧に凍り付いてしまい、頭も体も停止してしまった私を見兼ねたフィオナとウィラが頑張って教室まで半ば引き摺られる様な感じでその場から避難してくれた。なんとも有難い限りだ。
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翠(プロフ) - 翡翠さん» ｷﾞｴ………………ありがとうございます……神ではないですが最高に嬉しいです………………；；；；；；引き続き頑張りますので、更新お待ち頂ければと思います！！コメントありがとうございます！！！！！！！！！！ (2019年11月30日 1時) (
レス) id: 115b99c608 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 貴女が神ですか？続きが楽しみすぎます。 (2019年11月29日 7時) (レス) id: 702f91a63d (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - 翠さん» わ、わ…！こちらこそ有難い限りです…！思わずコメント返しちゃいましたがこれに返信は不要です。お互いに、頑張りましょうね笑 (2019年10月13日 4時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
翠(プロフ) - フルリさん» ！？！フルリさんですか！？わーーっいつも中篇集の方楽しく閲覧させて頂いております！！まさか自分の小説を読んでもらえるなんて…嬉しい限りです、ありがとうございます(；▽；)そう言ってもらえてとても嬉しいです！！引き続き頑張ります、ありがとうございます！！ (2019年10月12日 6時) (レス) id: 115b99c608 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - まだ話数は少ないのにとっても面白くて続きをいつも楽しみにしています。現パロのノートンくん絶対イケメン枠で考えただけでドキドキします笑応援しています、無理なさらず頑張って下さい。 (2019年10月11日 3時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠 | 作成日時：2019年10月6日 15時
