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高校になれば皆スマホを持っていて、私も欲しいと頼みました。
ありえないほどの我が儘と知っていながら、私はしつこくせがみました。
多分、その頃からでしょうか。
私は貴方の顔をちゃんと見なくなりました。
沢山、私はバイトを始めました。
貯まったお金は生活費でなくお洒落に当て、めまぐるしく変わる流行に着いていきました。
やがて、いじめられることもなくなって、私は寧ろ地味な子をいじめるようなグループに入りました。
ある日私が帰ってくると、私のメイク道具を持って不気味な化粧をした、貴方が居ました。
その時、私は高3でした。
私は母にメイク道具を使われたのが嫌で、ひったくるように道具を取り返しました。
なんで、勝手に使ってるの、と怒鳴れば、貴方は珍しく小さい声で
貴女と出掛けたかったから、貴女が嫌がらないよう綺麗になろうと思ったんだよ、と呟いていました。
反抗期も終盤だった私は、それを聞くとため息だけついて、やけに上から目線で「私が化粧し直してあげる」と言った記憶があります。
あの時は化粧の1つもできないのか、と思いましたが、今思えば化粧品何かにお金を当てられなかった貴方は化粧品を触ることすらなかったんじゃないでしょうか。
不気味なメイクを一旦落として、久しぶりにちゃんと見た貴方の顔は数年前よりかなりしわも増えて、白髪もあって、とても老けて見えました。
少しずつ、貴方のことが大嫌いではなくなりました。
*
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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ひなた(プロフ) - 僕は母ではありませんが祖父が亡くなってしまい、祖父がよくタバコを吸っていたので「臭い」と思ってしまったり、お節介なところも嫌な時がありました。でも、この作品を読んで余計に何であんなこと思ったんだろうと感じました。素敵な作品をありがとうございました。 (2021年9月2日 21時) (レス) id: e4ea8061ed (このIDを非表示/違反報告)
零音 - とても感動しました。素晴らしい作品をありがとうございました! (2020年11月28日 16時) (レス) id: 772f61320e (このIDを非表示/違反報告)
アマテラス@mluz205 - 何回、読んでも泣きますね。私は、両親が大嫌いです。ですけど、作品読んだら、苦労とかわかってしまったので、好きになりました。作品に感謝してます。ありがとうございました。 (2018年8月3日 23時) (レス) id: 045e817aac (このIDを非表示/違反報告)
サクラパン(プロフ) - 何回読んでも泣いちゃう・・・。 (2018年7月13日 20時) (レス) id: 85c6b6e875 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこ - やだよぉ…何でなかせるの…うわあぁぁa(殴 (2018年6月17日 22時) (レス) id: 46f91ead37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宇狛ろふ | 作成日時:2018年4月21日 0時