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「藤井くんが家に来た時
那須のこと見たんだよね？」
「うん…」
「もう分かってると思うけど、
俺は那須を監 禁してて。
那須のこと好きだから。
それで、那須の幼なじみに
龍我って子がいてね、」
「え…龍我って…」
「知ってる？」
「一世と同じクラスの…」
「そうそう！
知ってるんだー！
なら話が早いね、
龍我は那須の幼なじみでさ。
龍我も那須のこと好きなの。
でさ、一世くんが龍我のこと
好きなのを知って、
それを利用したの」
「利用…？一世を？」
「うん、
もし上手くいったら
龍我と一世くんは付き合う。
それで、俺は那須を
ひとりじめできる。
まあ要は全部自分のために
やってるだけ。
でもまさか一世くんが
藤井くんと付き合ってるなんてね、」
「…で？
一世が那須くんを叩いた理由は…？」
「あーそうだった、
俺がね、一世くんに那須に会ってもらって、
龍我と付き合ってるって
言ってもらって、
那須に龍我のことは
もう諦めてもらう作戦を立てて。
一世くんには
龍我と付き合ってるって
言ってもらうだけで良かったのに、
なんか那須のこと見たら
ムカついたんだって。
自分の好きな人の好きな人だから、って…」
「…」
「藤井くんだって
一世くんが誰かに叩かれたら
その叩いた奴のこと
殴りたくなるでしょ？」
「そんな…だからって…」
「…自分が俺の立場に
なったら俺と同じことするくせに、」
「…
一世を利用してたってさ、
もしかして龍我くんに
一世がキスしたのも
浮所がやれ、って指示したの…？」
「なんだ、
それも知ってるんだ！
キスしろ、とは言ってないよ？
あれは一世くんが勝手に
しただけ。
でも一世くんもよくやるよね〜
藤井くんと付き合ってるくせに」
「っ…
一世を利用してたくせに…っ」
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作者名：あおそう＊ | 作成日時：2020年2月4日 23時
