34 ページ34
浮所は俺に頭から
水をぶっかけられて、
当然びしょぬれになった。
「ひどい、龍我…」
「浮所だってひどいよ、
浮所が悪いんだよ、」
周りの人達は
みんな俺らに視線を向けていた。
特に水をかけた俺に。
はたから見たら俺が悪い奴なんだろう。
でもこれは浮所が悪い。
みんな俺のことが悪い、って
言っても那須だけはきっと
俺の味方になってくれる。
「もうどうなっても
知らないからね、…」
「え、…」
それだけ言って
浮所はお店から出ていった。
.
ガチャッ
あ…浮所帰ってきたかな…?
部屋のドアがゆっくり開いた。
「那須…」
「え…浮所、…?」
めっちゃ濡れてる…
でも今雨降ってないけど…
ぎゅう、って抱きしめられた。
「ふぇ…う、ふえっ、」
「浮所、?」
泣いてる…?
「大丈夫…?」
「ふえ、こわかった…グスッ」
「どうしたの、?
なんかあったの、…?
とりあえず拭かなきゃ
風邪ひいちゃうよ、…」
そこに置いてあった
タオルで浮所の頭を拭いてあげた。
「那須っ、ふぇぇ…」
「大丈夫、?」
「よしよしして…」
目に涙をためながら
言ってきた。
「…」
浮所の頭を撫でて、
ぽろぽろ涙を流す
浮所がなんだかかわいそうで
そのまま浮所を抱きしめた。
.
287人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「美少年」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あおそう* | 作成日時:2019年9月10日 22時