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その瞬間
Aが両手で顔を覆い
ワッと泣き出した
「Aちゃん！」
ロス少尉はAの背中をさすった
『...っ！
どうしよう...っ！
エドにっ
エドに嫌われちゃった...っ
アルにも...
嫌われちゃったっ
嫌われちゃったよ』
「そんなこと無いわよ
エドワードくんも
聞いたばかりでついカッと...」
Aは声を押し殺して泣いている
「今まで辛かったでしょう...
ずっと２人に言えなくて
ごめんなさい...こんなふうに
２人に伝える形になってしまって」
それからずっとずっとAは泣いていた
私を突き飛ばした時...
エドが私だけにしか聞こえないように
言った言葉...
“お前は
残酷だと思わなかったのか”
――――――
エドは階段を下り
外へ飛び出す
「兄さん！！！」
“ヒューズ准将は
エドワードくんとAちゃんが退院してすぐ
何者かに殺害されたの
犯人はまだ捕まってないわ”
エドはあの時の
病院で話をしていたあの時の事を
「(オレのせいだ
オレが巻き込んだ...！
ヒューズ中佐！！)」
エドはがむしゃらに走りつづけた
路地に入り壁に寄りかかって
息を整える
“じゃ！
道中 気をつけてな
セントラルに寄る事があったら
声かけろや”
“アルフォンスは...
鎧着たままだと食えないよな”
“キミたち
どうせ宿決まってないんだろ？
だったら家に来いよ”
そこにアルがやっと追いついた
エドはグッタリと座り込んでしまった
―――――
ウィンリィはヒューズ家についたようだ
コンコン
そしてパタパタと走る音
玄関が開いた
「パパっ！」
出てきたのはエリシア
しかし出てきたときの笑顔は
一瞬にして消え
暗い顔になった
ウィンリィは何も知らないので
笑顔で挨拶する
エリシアはウィンリィの足にしがみついた
中からグレイシアが出てきた
グレイシアの表情もなんだか硬かった
――――
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