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今度はしっかりとした目でロイを見ながら否定した
「......分かった...
呼び出してすまなかった...
もう行っていいぞ」
「はっ!」
そしてアームストロングは向きを変えて歩き出した
すると足を止めて思い出したことを言った
「そういえば我輩
言い忘れておりました
数日前までエルリック兄弟が
滞在しておりましてな」
「エルリック兄弟が?」
「そう
エルリック兄弟です」
「彼らの探し物は見つかったのかね?」
ロイはニヤリと表情を変えて問うた
「いいえ
なにしろそれは伝説級の代物でして」
「そうか...
ありがとう」
アームストロングは言い終わるとまた歩き出し
帰っていった
「これといった情報は得られませんでしたね」
「いやまったく...
少佐はお人よしだ
ヒューズを殺害したと思われる者たち
...と言う事は
相手は複数ひょっとすると
組織として動いている者達
大佐の私の命令であろうと
言うわけにはいかない...
ということは
私以上の者が少佐に
口止めしていると言う事...
軍上層部がらみと考えていいだろう
そして...エルリック兄弟の探し物...
すなわち...
“賢者の石”だ」
「!!
軍上層部に関わる組織と...
賢者の石と
ヒューズ中佐...
いったいどんな繋がりが...?」
リザが考え込む
「今はまだ分からん
だが...セントラルに転属したら
上層部を探って
ヒューズを殺した奴を必ず燻り出してやる!」
「公私混同とは
あなたらしくないですね」
「公も私もあるか
大総統の地位をもらうのも
ヒューズの仇を討つのも
すべて私いち個人だ
上層部に喰らいつくぞ!
ついてくるか?」
「何を今更」
そしてロイは決心した顔で
これからの計画を立ててゆく
始まりはここから
ヒューズの死の意味を知るのは
まだまだ先...
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