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セントラルでは
喪服を着た人
軍の人たちから大総統までもが
墓の周りに集まっていた
数名が黒い棺を担いで歩いてきた
棺の上には軍帽が置いてある
パン！パン！パン！パン！...
１０回空砲が空に向かって放たれた
そこにはグレイシアとエリシアもいた
棺は穴に入れられて
上から土を次々と盛られてゆく
「ママ...
どうしてパパ...埋められちゃうの？」
「エリシア...」
エリシアは目を棺から離さなかった
「そんな事したら...
パパお仕事出来なくなっちゃうよ...」
グレイシアの瞳からは涙がとめどなく溢れる
「エリシア...」
そしてグレイシアはエリシアを抱きしめた
「パパッ！
お仕事いっぱいあるって言ってたもん！」
アームストロングの瞳からも遂に涙が流れた
「嫌だよ！！
埋めないでよ！！！」
ブラッドレイ大総統の手も震えていた
ロイも俯いたまま表情は伺えない
「パパァ―――――！！！！！」
エリシアの泣き声と
“パパ”と呼ぶ声が墓地に響き渡った
――――――
埋葬が終わった後
ロイはリザと墓の前に残っていた
墓石には
Maes Hughes
1885-1914
と刻まれている
「殉職で２階級特進
ヒューズ准将...か
私の下について協力すると言っていた奴が
上に逝ってどうする...
バカ者が...」
「大佐...」
リザが近付いてきた
「錬金術師というのは
ヤな生き物だな...中尉...
今...頭の中で
人体練成の理論を必死になって考えている
自分がいる
あの子らが母親を練成しようとした気持ちが
今なら分かる気がする」
「...大丈夫ですか？」
ロイは軍帽を取り出して
頭に被った
「いかん
雨が降ってきたな」
リザは空を見上げる
「いいえ...雨なんて...」
そしてロイを見ると
軍帽を深く被り
表情は見えなかったが
一筋の涙が頬を伝っていた
「いいや...
雨だよ...」
「そうですね...
戻りましょう
ここは...冷えます」
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