時の翼 4【鋼の錬金術師】 (ページ16)

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そしてそばにあったソファーに腰掛ける

Aはアルに横にどうぞと言うように目で訴えた

アルは一人にして欲しかったが仕方なく座る事に

『なんにもないなんて
嘘でしょ？』

「......」

『もしかして私
関係してる？』

「それはない！」

『そっか
それじゃ...
エドと何かあった？
喧嘩？』

「兄弟喧嘩...じゃない...」

“じゃない”“ではない”と言う言葉を使ったことで

Aは何となく分かった気がした

エドと何かあったことを完全否定していない

曖昧な言葉で返してきたので

エドと何かあったことが分かる

何かあったけど

兄弟喧嘩ではないということ...

『あのね
第五研究所で何があったか知らないし
私がこんな事言う立場かどうかもわからない
でもアルの為だから言うよ

独りでそんなに悩んでいても
なんの解決にもならないし
意味無いと思う...
だからエドに全部言った方がいいと思う
言った方がスッキリすると思う』

「でも...」

『言えない？』

「......」

アルは黙ってしまった

これは“Yes”と言うこと

『なんなら私言おうか？』

「それは...！」

『ダメ？』

アルは頷いた

『うん！
やっぱり自分で言った方がいいと思うよ
じゃないと意味ない』

Aは俯いているアルに微笑んでいる

しかし一瞬顔が曇り眉間に皺を寄せた

『それじゃ
私病室戻るね...』

「うん」

そう言ってAはヨロヨロと病室に戻っていった

アルは暫く椅子に座って考え込んでいた