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その後エドは車椅子に乗り
ブロッシュ軍曹に押されて病室に戻る
「なんだ
つまらないなぁ
俺がキミくらいの年には...」
エドが目線を横に向ける
軍曹は車椅子を止めた
目線の先には薄暗い所でアルが椅子に座っていた
「あれ?
なにやってんだ
そんなところで」
アルは返事を返さない
「おーい!
アル?」
やっとアルがこちらを向いた
「兄さん...」
「部屋に行かないか?」
アルがずっとエドの顔を見つめていた
エドはなんだかよくわからない様子
「ううん
何でもないよ
先行ってて」
「おう」
ブロッシュ軍曹は車椅子を押し病室に向かった
アルはなんだか思いつめている様子
ギーギーギーギー...
足元でなにかの音がした
そこには玩具のロボットが歩いていた
自分の足が行く手を阻んでロボットが前に進めない
そこに小さな男の子がやってきて
ロボットを抱き上げる
不思議そうな顔をしてアルを見つめていた
男の子は笑顔で手を振る
「バイバイ!」
そして走ってその場を去っていった
“兄貴とやらに作られた鎧人形じゃねェのか?”
アルの拳に力が入る
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