時の翼 2【鋼の錬金術師】

92 ページ44

エドがアルに殴られて２回転した



「うぎゃぁぁ！！！」



５人は身体をビクつかせる



「何でボクが逃げろって言った時に
逃げなかったんだよ！このバカ兄！！」




「いや！だからアルを置いて
逃げるわけには...！」



「それがバカだって言うんだ！！！」



ドカッ！！！



「どわぁぁぁぁっ！！！」



またもや見ていた全員がビックリする



『あ アル...？』



エドはさっきより倍 回転したような気がする




「なんでだよ！？
オレだけ逃げたら
お前殺されるかもしれないじゃんか！」




「殺されなかったかもしれないだろ！？
わざわざ死ぬ方を選ぶなんて
バカがすることだ！！
それにAもバカだ！！」




『わっ私！？』



Aは自分を指差してビックリする



「なんで兄さんを連れて逃げなかった！！
兄さんもAもバカだ！！！」





「兄貴に向かってあんまバカバカ言うな！！」




「何度でも言ってやるさ！！！！」



アルはエドの胸倉を掴み引き寄せる



「生きて生きて生き延びて
もっと錬金術を研究すれば
元の身体に戻る方法も！
ニーナみたいな子を救う方法も
見つかるかもしれないのに！
その可能性を捨てて死ぬ方を選ぶなんて
そんな真似絶対に許さない！！」




ガシャコン！！



アルの腕がとれてしまう



「あぁぁっ！！！
右手モゲちゃったじゃないか！！
兄さんのバカたれ！！」





初めて見た...



アルが本気で怒った所...



それだけ私たち２人を思ってくれてたんだ





エドはガクッと俯いて少し笑みがこぼれる



「ボロボロだな...
オレたち
かっこ悪いったらありゃしねぇ...」



そして日の光が差し込む



『でも 生きてる』




「うん 生きてる」



Aもつい笑みがこぼれてしまう




「まったく
万国スペシャルビックリショーだな
こりゃ...」




「あぁ...すまん」



「オーケー
上には内緒にしておくさ」



フューズも微笑む



リザとハボックはエドとAに



軍服を脱いで羽織らせた



アームストロングはアルを支える




「バレたら厄介なんだろ？」




「あぁ
兄とAはともかく
弟の身体は言い逃れができんからな」




「それにしても
厄介な奴に狙われたもんだ...」




「イシュヴァールの民か...」



ロイは難しそうな顔をしていた

93→←91

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す