時の翼 2【鋼の錬金術師】

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「なにが国家錬金術師だ
なにが...！」



エドがキメラを見る



「あそ ぼうよ...」



「くそ―――――っ！！！！！」



しばらくの間...いや




もうどれくらい経ったのか分からない




ずっとずっと“あそぼうよ”と言っているキメラと



国家錬金術師という名の特権を利用し



心が染まっていったタッカーと



一緒に研究室にいた





それから３人はタッカー宅を無言のまま去り



東方司令部の階段に座り込み



雨に打たれていた...






――――――



「悪魔の所業というものがこの世にあるなら
今回の件はまさにそれですね」




「悪魔 か...
だが 国家錬金術師を命あらば
人の命を奪う事も辞さず
行動せねばならん
人の命をどうこうするという点で
タッカー氏の行為と我々の立場に大きな差はない
そしてそれを承知の上で
この道を選んだ...
そうだろう 鋼の」




座り込んでいるエドの横で足を止める



「今後も今回のような事件に
出くわす事はあるだろう
キミ自身が手を汚す事もあるかもしれん」



ロイとリザは足を進める



「その度に
そうやって 立ち止まるのか？」




「軍の狗と言われようが
悪魔だとののしられようが
オレはアルとAと３人
元の身体に戻ってやる
だけどな...」



コートを握る力が強くなる



「オレたちは悪魔でも...
ましてや神でもない」



エドはゆっくりと立ち上がる



「人間なんだ...
人間なんだよ！！！！
たった一人の女の子さえ助けてやれない
ちっぽけな人間だ...！！！」

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