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「次会った時、反逆者として
死体袋の中だったなんてのは
承知しないからね」
「ありがとう、マダム
この仮はきっと...」
「お得意の出世払いって奴かい?
じゃ、今度こそ楽しみに待っていようかね
ロイ坊」
手を振って、地下道を歩いていったマダム
その後姿を見てフッと笑みをこぼすロイ
「いい加減
坊や扱いは止めてくれないかなぁ
...さて
こちらも動くか」
ロイも鞄を持って歩き出した。
―――――
コツコツコツコツ...
ロイはどこかの地下を歩いていた
ギィィ...
戸を開ける
そこには懐かしい面子が
「遅いですよ大佐
置いて行っちまう所だった」
ブレダがそう言った
「貴様の憎まれ口が
今は頼もしく聞こえるよ
尾行は大丈夫か?」
「はい
何かあったらこの子が反応しますから」
リザが足下を見ると、そこにはハヤテ号がいる
「ワンッ!」
ロイは腰をおろしてハヤテ号を撫でた
「そうか
頼りにしてるぞ」
そしてまたリザに聞いた
「ブラッドレイ一家の動きは?」
「3人のこの先3日間の予定は把握しています
大総統は東部の演習に
セリムもそれに同行しています」
「そのことだが
大総統乗った列車が
谷底へ落ちた」
「「「!!!」」」
「そりゃまた
グラマンじいさんのやる事が
過激ですね...」
「これで警戒レベルが
引き上げられてしまう...
色々とやりにくくなってしまうかも
しれませんね」
「こちらの作戦はどうなります?」
ヒュリー曹長が聞いた
「東方軍が予定通り
セントラルに乗り込んでくるでしょうか」
「.........大総統が行方不明...
千載一遇のチャンスか
それとも落とし穴か」
「落とし穴だとしても
進むしかないでしょう」
ヒュリーもリザもそれに頷いた
「命令を」
「......今、我々が持っているのは
戦場への片道切符だ
勝っても負けても、後戻りはできない
なぜなら諸君等には本作戦終了後も
大総統となる私の元
国家を建て直すという大仕事が待っているからだ
となれば、諸君等が守るべき命令は
只一つ」
ロイは息を吸った
「死ぬな!
以上だ」
カッ!!
「「「はっ!!」」」
――――――――――
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