大切な人を守る為に《ﾌｧﾝﾀﾋﾞ》 (ページ14)

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ep.13 ページ14

お互い名を名乗るとリオンは私にぐっと顔を近づけてきた
何事かとら私は反射的に身体を後ろに逸らす

『な、なに……？』

「……本当に美人よね、Aって」

『へ？わ、私が？』

「気付いてなかったの？貴女がハッフルパフに組み分けされる前から先輩達にずっと見られていたわよ！周りの男子もチラチラ見てたし……」

『そ、そうだったんだ…。全然気づかなかった』

というより、緊張と不安で周りを気にしてられなかったのだ
呆れたようにリオンは私の隣に座り、大きくため息を吐いた

「Aって天然なのね。危なっかしいというか何と言うか…そんなんじゃ知らない人にとって喰われてしまうわよ？」

『食われる！？……人間は美味しくないよね』

「そういう意味じゃなくて……いや、何でもないわ」

『………？』

意味が通じてないAは不思議そうに首を傾げた
ポンっと肩に手を置かれリオンは私を見つめた

「明日から一緒に授業に行かない？貴方1人にするのは心配だわ」

『！うん、一緒に行く！！』

ニュートが一緒にいない今、リオンが一緒に居てくれるという事に素直に喜んだ。その可愛さからリオンは思わずAを力いっぱい抱き締めた

「貴女って本当に可愛い！！！もうずっと私が守ってあげたい！！」

『ちょっ…リオンっ…苦しいっ！！』

バンバンッとリオンの背中を力いっぱい叩くと素直に私を離してくれた。

「そういえば…一緒にいた男子はAの恋人？」

『一緒にいた男子……ニュートの事？』

「そう、随分仲良かったし抱きついてたから」

『ニュートはただのお友達よ？』

キョトンとした様子でニュートの事をお友達だと言う
リオンはニュートの様子を思い出して納得した

「なるほど…この様子だとあっちが苦労するわね……」

『？？？』

小さく呟いたリオンの言葉は私には届かなかった
私は本を直してベッドから立ち上がる

『私、ちょっと談話室に行ってくる』

「もうすぐ就寝時間だから早く戻ってきた方がいいわ」

『分かった！』

ローブを羽織り、バタバタと部屋を出て行った

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談話室に入ると誰一人いなかった。

今日、1日バタバタしていたから1人になりたかったのだ
談話室の椅子に座り、大きく息を吐き出した

『疲れた……』

ずっと気を張りつめ過ぎて疲労が蓄積されていた
静かな空気に私は身を委ねる

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