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ep.11 ページ12

中は想像以上に広くて、とても煌びやかだった。
長いテーブルには豪華な料理が並んでいて生徒たちが楽しそうにこちらを見ていた。


ミネルバを先頭に続々と新入生達が中に入っていく
でも、私は緊張と不安で足が止まってしまっていた
中々歩かない私を不思議そうに見て去っていく新入生達
震える手をぎゅっと握りしめる




「A…?」




聞き覚えのある声が聞こえ、振り返るとニュートが不思議そうにこちらを覗いていた。私は嬉しくて思わずニュートの腕にしがみついた。




『ニュートっ!やっと見つけた!』

「わっ…、ど、どうしたの?行かないの?」

『き、緊張して……歩けない……』




小刻みに震える私を見てニュートは少し考える
そしてポケットから小さな包み紙を私に渡してきた




『?……これは?』

「チョコレート。ここに来る前に兄さんから貰ったんだ。何か甘い物を食べると少しは和らぐかも……」




私はニュートからチョコレートを貰って口に運ぶ
口の中にチョコレートの甘い香りと優しい味が広がる
それと同時に不安や緊張も解けていった
顔色が良くなったのかニュートは私を見て小さく微笑む




「先生には、内緒だよ……?」




人差し指を口元に持っていき内緒、と呟くニュート
その仕草に胸が高鳴り、私は隠すようにグイグイと腕を引っ張って歩き出す


中では既に何かやっていた
新入生達が前の椅子に座り、帽子を被っている




『ニュート、あれ…なぁに?』

「組み分け帽子だよ。あの帽子が僕達の寮を決めてくれるんだ」




よく見ると生徒の頭の上の帽子が大声で寮名を叫んでいた
ちょっと不気味……。
少しだけニュートの背中に身体を隠す。その様子を見たニュートは顔だけ私の方に向ける




「………怖い?」

『す、少しだけ……』

「大丈夫。寮を決めるだけだよ」

《ニュート・スキャマンダー!!》




前にいるミネルバがニュートの名前を呼んだ
呼ばれたニュートは前を振り向くと、ぎゅっと私の手を握った




「同じ、寮に……なれるといいね」




そう呟いたニュートは私から手を離して前へと歩き出していく
椅子に座ったニュートにミネルバが帽子を被せる
私はドキドキしながらその様子を見守っていた




《ハッフルパフ!!!》




寮名を告げられた瞬間、ハッフルパフの生徒たちが大声を上げた
ニュートはそのままハッフルパフのテーブルへと歩いて行った




《A・ロイス!!》




次は、私の番だ…。



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作者名:Lia | 作成日時:2023年6月29日 19時

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