ご主人様とぼくの日常

本番 ページ12

もうすぐ登坂さんきます


ってスタッフさんの声で演技がはじまる



直人「なるほどね〜。Jは臣のこと大好きなわけだ」


『うん』


健「どこがすきなん？」


『え？優しいところとかカッコいい所とか〜あ！一緒に寝てくれるよ。腕枕で』



ぼくそんな喋り方ちゃうし。って思いながらも２人を真剣に見る



あ。ご主人様もうドアの近くまできてる♪
ぼく足音でわかるで



直人「でもさ、実際留守の時間も多いじゃん？寂しくないの？」


あ。ご主人様の足音止まった
壁の向こうで聞いてんのかな？



健「そうや！海外行くことも多いし、この間家に来てたけど
そういうこと多いやろ？
地方のＬＩＶＥも泊りの事ほとんどやし」


『寂しいのは寂しいよ。飲み会？いうのも多いから朝仕事で出かけて、帰ってくるの翌朝ってことも少なくないし』


直人「確かにうちの事務所付き合いの飲み会多いからね。正直こうゆう仕事してない人のところの子の方がいいなぁ〜って思ったことないの？」



そんなこと思ったことない。保護施設からぼくを選んでくれてぼく幸せって思ってる
それやのに



『考えたことあるよ。1人の家でずっと待ってる時は…隣の家から楽しそうな話し声とか聞こえてくる時はどうしてぼくは今1人なんだろう？ってなる時ある』



そんなことぼく思ってない！
思わずワンって吠えようと構えた時廊下からドサッって物が落ちる音がした。


バッて振り返る。
直人さんも健二郎くんも一斉に廊下の方を…


ご主人様の方を向く


臣「あ、わりっ。」


そっと床に落ちたカバンを拾うご主人様



健「おー臣ちゃんお疲れ！今なJと遊んでてん」

臣「そっか。ありがとう。健二郎くんも直人さんも」

直人「さて。臣も来たし俺らは帰るか！」

健「そうっすね」


2人は「じゃあ明日〜」なんてご主人様に言いながらこの部屋から出て行った


ここからは2人きり
ご主人様は心なしか元気がないように思える

さっきの信じたんかな？
早く誤解だって伝えたいけど
言葉が話せない
ぼくはご主人様に直接伝える術を知らない


どうしたらいい？

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