【卑狗コウスケ】 (ページ8)

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【ホームレスのおっさん】ページ8

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黄金の宮殿に姿なき怪人の影が落ちる

【名前】ホームレスのおっさん

【性格】コウスケいわく、「狡猾で恐ろしく頭が切れるが、そのにおいが全くしないおかしな人」

【容姿】目元にプリズンタトゥーのある初老の男性。

【備考】

いつの頃からか裏浦町の空き家に住み着いている自称建築家の怪しいおっさん。

借金で首が回らなくなったのか、いつの間にか裏浦町から消えていた。

どこかから流れ着いてどこかへ流れていく、裏浦町では大して珍しいことでもない。

【関係】

【卑狗コウスケ】呼び方 : 坊主

コウスケに、こうしたら死なないよって最低限のことだけ教えた人。

二人が一緒に過ごした時間は短く、おっさんはコウスケを坊主呼びして名前すらつけなかった。

二人の関係は親子なんて程遠いドライなものだったが、二人は他人とは呼べないほど形のない場所が似ていた。

コウスケは発語が遅れており、おっさんとも会話らしい会話はしたことがなかった。

そんなコウスケが初めて話した言葉は、おっさんが失踪する前夜の「置いていかないで」。

勘のいいコウスケは、何かを感じ取っていたのだろう。

しかし、朝目覚めるとおっさんは町から消えていた。

おっさんにとってコウスケは、何も言わずに捨てていけるほどの存在だったのかもしれない。

「それがどうした」

そう思いながら、コウスケはおっさんが帰る場所を守り続けている。

【homeless】

オレたちは心の隅から隅まで空っぽだった。

それを悲観するわけでも諦めるでもなく、気づいてすらいないんだ。

魔法のランプやガラスの靴を思い描けるのは、

教えてもらったことのあるやつだけだろ?

オレたちは、夢でさえ

いつまでも幸せに暮らしましたってハッピーエンドを描けない。

なにひとつ教えてもらったことがないから。

【裏話】

隠市を仕切る悪名高い任侠一家に依頼され、裏浦町の設計に手を貸した。

以来、町は闇取引の場所として使われ、男は報酬で隠遁生活をしていた。

しかし、隠市の図書館司書だった妻が運悪く取引現場に居合わせ、口封じに殺されてしまう。

男は復讐のため、構成員を一人一人拷問して殺し行方をくらませた。

隠の海に沈む無数のドラム缶だけがそれを知っている。