第二十一話 解答のない問いかけをして side千優 ページ23
気が付くと、そこは見たことのない部屋だった。
病院じゃない。家じゃない。どこ?
「よかった……目、覚めたんだね」
聞き覚えのあるハイトーンボイス
「天月くん? どうして……?」
「どうしてって……そらが引退発言して死のうとするから必死に探して、見つけたのがあの湖。
せーのでピョンで飛び込もうとしてたから、一緒に飛び込んで助けたんだよ」
天月くんは呆れながら事情を話した。
「助けないでよ……もうすぐで償えたのに……」
今までの悪い事を全部償うつもりだった。
そうすれば、少しは両親やみんなは私のした悪い事を自分で償ったて、いい子だって
認めてくれるかもしれないじゃない。
なのに……
「ふざけないでよ!!」
天月くんの怒り声に驚いた。否、正論を言われて傷つくのが怖かったのかもしれない。
「千優は……なんで死のうとしたの? 君を待ってる人がいるんだよ?」
私を待ってる人……? そんなの
「いないよ……」
「どうしてそう決めつけるの?」
「私を待ったところでなにが起こるの?」
「そんなの、知らない。僕一人が待っているわけじゃないから。みんなそれぞれの理由で千優を待ってる。それを、なんで否定するの?」
違う……否定したいんじゃない。信じて裏切られるのが怖いんだ。
「その髪だって……元は綺麗な桃色。茶色なんかじゃなかった。その目だって、元は綺麗な赤と黄色だった。緑色じゃなかった。なんで? 怖いから……怖いからすべて無かった事にしようとしたの?」
なんで……なんで、なんで、なんで、なんで!?
「なんで知ってるの……!?」
「幼い時の写真を見たんだ。真ん中で笑ってる桃色の女の子。その隣にいる黒髪の男の子。後ろに立っている黒髪の女性に銀髪の男性。着物を着てる黒髪女性と銀髪の男性。女の子に抱えられてる白狐と巻き付いてる白蛇。どう見ても君の家族だよね……?」
幼い時の写真____
私が金髪の時……小学生になる前……すべての始まりで終わりの日。
私が感情ともう一人の“兄”と大切なもう一人の“幼馴染”を亡くした日……
あの日私は……!
お兄ちゃんを……暁 陽平を……!
幼馴染を……影月 流華を……!
私が……私が殺したんだ……!
私が生きてるせいでッ!!
「やだやだやだやだ!!!!!! 私はッ!!」
呪いがかかったかのように頭の中であの頃の記憶が巡る。
「落ち着い、」
「落ち着けるワケないでしょ!? 私が殺めたんだからッ……」
「人を……殺めた……?」
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真美む目も - あ。見ちゃだめだったっぽいね。 (2017年3月8日 17時) (レス) id: 17d230bb65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅色の空&そらうさぎ x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年3月6日 19時