全日本男子達のコイワズライ【*Short story】

episode 32 【小野寺太志】® ページ34

「ねぇ…たいしくん起きて！」


『んぅ〜むり…』


眠気と戦う2m級の巨人やつの名は小野寺太志。



たいしくんとは昔から家がお隣さんでかれこれ10年以上の付き合いだ。


今は立派な彼氏である。


私はと言うと、ワールドカップバレーの期間中、スポーツトレーナーとして配属されている。



早く起きないと練習始まるのにたいしくんってば全然起きない！



「ねぇ〜もう先行くよ？」


痺れを切らしながら言う


『…だめ！』


ばっ！と起きて急いで身支度を始める。




「たいしくん明後日から試合だよね？


明日オフなんだからしっかり休んでね」


『あはは〜もちろん。

Aちゃんの部屋行くね〜』



ワールドカップバレーの期間中、選手は専用のホテルに泊まる。


「絶対こないで！休みなさーい！」



『ええ〜』



他愛もない話をしていると練習場についた。幸い近い場所にあったので余裕を持って到着できた。



「じゃあ着替えて9時に集合ね？」


『はいはーい』



ほんと朝弱いんだから…！


なにあの伸びに伸びきった話し方！


あとでしばきまわそう(元関西人)



練習着兼ジャージに着替えて、ストレッチをする。


特別動くわけじゃないんだけどなんかしたくなるんだよね。



体育館に着くとちらほらと選手がいるだけでまだ全員揃っていなかった。



柳田キャプテンに挨拶をする。


「おはようございます。」


柳田『…うす』


「みんな揃ったらストレッチ始めます〜


最近捻挫増えてるので、怪我のしにくい体づくりして下さいね。


特に石川くん…！」



石川『げ…俺！？』



「そうです！捻挫するの癖になったらなかなか治りにくいんですからね？


酷すぎたら大会出させませんよ！」


石川『えげつい…Aさん容赦ねぇ…！！』


「何か言った？(^^)」


石川『なんもないっす…』



捻挫しないようにしよ…と小さな声で呟きながらストレッチをし始める石川くんを横目にチラッと見る。



せっかく良いスパイク打ててるのに着地の時になぁ…



膝、腰も大事だけど、足首も大事なんだからしっかりケアしないと…

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