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9.育ての親 ページ11

orange


『僕を買った男は…とても、いい人だった様に思う。そりゃ、今までの裕福な生活を思えば
食べ物も服も段違いに質素なものになったけど
何より彼は僕を………撫でてくれたよ。』

目を閉じると鮮明に思い出せる。
彼の声、言葉、微笑み、掌…とても温かい。

『楽しい日々が続いた。人を殺すことは強要しないと彼は言ってくれたけど、僕は彼の仕事が少しでも減るならと頑張ったよ。』

そして…思い出すと、途端に消えていく、
今まで感じていた温もり。
おかしい、だって、少し前まで、いつでも
手を伸ばせば届いた、あの、人。

『そしてある日、彼は…っか、れ…は…。』

【彼、は? 死んだ。】
【なんで? 理不尽な理由だったよ。】
【誰が??? どこかのマフィア。】
【…殺す? …勿論。】

違う、こんなの、おじさんは嬉しくない。
でも思考は止まらない。
おじさんを殺したマフィアがどれかは分からない。
だから片っ端から、潰して、潰して、潰して。

『違う…こんなことしても、満たされない…
僕も、おじさんも…。』

___おい、お前…名前は?___

___あの家でつけられた名前なんかいらない__

___じゃあ俺はなんて呼べばいいんだ___

___おじさんがつけてよ、名前___

___ま、考えとくさ。取り敢えずは___

___?___

___嬢、な。___

___じょう?それが僕の名前?___

___いや、名前じゃねぇ。名前はもっとちゃんとしたもんを付けてやるよ。___

『おじさん…!』
手を伸ばす。


もう、届かない。

10.読唇術→←8.ヒメサマ(食い違ったので変更)



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めーりん(プロフ) - 純さん» 有難うございます!( ´ ▽ ` )コメント頂くと更新せねば!ってなる私…笑 ちょっと今から更新してきます( ⊃˙-˙)⊃(ペン) (2017年12月21日 23時) (レス) id: 14a4a43ae4 (このIDを非表示/違反報告)
- カッコいい!!背景?もカッコいいですね! (2017年12月21日 23時) (レス) id: a26498a704 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めーりん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年11月18日 0時

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