ジャーファルに成り代わったら好かれました (ページ3)

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3話ページ3

「私が来たらすぐ起きてくれるよう、いつも言っているじゃないですか」

「はは、すまんすまん」

「悪いと思っているなら気を付けて下さいっ」

シンを起こしに行きましたが中々起きてくれませんでした
私が来たらすぐに起きろと何百回も言っているのに

シンが扉に入ったことを確認したあと数秒おいて入室します
これは私なりに敬意を示しているのでどれほど急いでいてもシンより先に入ることはありません

「＿＿＿＿＿＿と、いうことでバルバッドとの貿易を再開させねばはなりません」

「ふむ」

？嫌な予感が……

「よし、俺とジャーファルとマスルールでバルバッドに行くか」

「え？」

「うちとの貿易を急にやめた理由を問い詰めなきゃいけないしな」

「今日ですか？」

「あぁ」

「どうしても？」

「どうしても」

この方はアホなのでしょうか
ただでさえ王が真面目に働かないせいで仕事のほとんどは私がやっているというのに

それで他国に行こうものなら国が傾くとは言いませんが国政が滞ります

「ちゃんと考えてものを言っているのですか？」

冷ややかな目線で告げるとシンはうっと息を呑みます

「だって、最近ジャーファルくん仕事ばっかで俺と全然いないじゃん」

「それは貴方が仕事しないからでしょう！」

イジイジ、メソメソといったように拗ね始める王
時間をとりたいのは私だって同じですよ

「ジャーファルさんだって王様と一緒にいたいんだから素直になればいいのに」

「ピスティっ」

「そーですよー。
折角恋人同士なんだから素直になって一緒に行きたいって言えばいいのに」

「や、ヤムライハ」

「………仕事もいいっスけどシンさんも構ってあげて下さい」

「っ……マスルール」

「ジャーファルさん、王様大好きなんですから良い機会ですし行けばいいじゃないですか」

「シャルルカン……」

なんですかあなた達
スパルトスもうんうん、といったように頷いてますし
ヒナホホとドラコーンは微笑ましい目で見てきますし

「わかりましたよ、行けばいいんでしょ！行けば」

「よっしゃ！ジャーファルくん大好き！！」

「っ！？そ、そんなこと言ってる暇があるんならさっさと準備して下さい！」

引き継ぎだってしないといけませんね
予定も組まないと
急ぎの物だけでも決算を終えておかないといけませんね

ああ、もうっ
早くこの頬の火照り、冷めないかなぁ