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目が覚めると、そこは見知らぬ天井
ガラッ
桂「ガラにもなくうなされていたようだな…昔の夢でも見たか?」
そこに居たのは、銀時のかつての盟友 桂小太郎だった。
銀「ヅラ?何でてめーが…
銀時は急に思い出したように立ち上がったがすぐに布団にダウンした。
桂「無理はせぬがいい。左腕は使えぬうえ、肋骨も何本かいってるそうだ。」
桂「銀時、茜に感謝しろ。俺と茜は立場上敵であるにも関わらず、目の前の命を優先してここにお前を連れてきた。」
茜が…?ここに俺を連れてきたのか…?
そのとき、隣の襖が開いた。
茜「この女、かなり重症だ。銀時がかばったおかげで外傷はそこまでないが、麻薬にやられてる。」
先程までハム子を看病していたのか、茜が居た。
茜「銀時…すまなかった。私があのときそばに入ればあの子達は…」
そう言い柄にもなく、しゅんとする茜の頭をくしゃりと撫でた。
銀「てめぇのせいじゃねーよ。んな落ち込むな。お前らしくねェ。」
桂「…というかお前は何であんな所にいたんだ?」
銀「というかアイツらは一体なんなんだ?」
すると、茜が桂に代わって説明する。
茜「銀河系で最大の規模を誇る犯罪シンジケート宇宙海賊"春雨"。地球でもかなりの被害が及んでいる。
そのハム子のようにな…だから私もそのためにあのクラブに張り込んでいたんだ。」
桂「我々 攘夷党も探ってはいたが…銀時が追いつめられる位だ…よほど強敵らしい。時期尚早かもしれんな…ってオイ きいているのか?」
銀時は立ち上がり、自分の羽織を肩にかけた。
銀「…仲間が拉致られた。ほっとくわけにはいかねェ」
桂「…その身体で勝てる相手と?」
銀「"人の一生は 重き荷を負うて 遠き道を往くが如し"」
銀「荷物ってもんじゃねーが、誰でも両手に大事に何か抱えてるもんだ。だが、かついでる時にゃ気づきゃしねー。その重さに気づくのは手元から滑り落ちた時だ。もうこんなもん持たねェと何度思ったかしれねェなのに…またいつの間にか背負いこんでんだ。いっそ捨てちまえば楽になれるんだろうが…
…荷物(あいつら)がいねーと歩いててもあんま面白くなくなっちまったからよォ。」
銀時の言葉を聞いて私は考えた。
私は銀時みたいにまた背負い込める覚悟があるだろうか…
いや、私にはそんなものない。そんなもの右腕と一緒に失ってしまった。もう触っても感覚のない"右腕"を私は強く握った。
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作者名:あかお | 作成日時:2020年5月16日 1時