45話 ページ14
エイトフットの顔がまともに見れなくなってしまった
自分のこの感情が愛だと気付いてしまったせいだ
泡のように浮かんでは消え、また浮かんでくるこの感情に私の脳は支配されっぱなしで
このままではいけないとわかってはいるのに、解決策が分からない
私は、この感情をどうしたいのだろう
ただ一つ確信しているのは
彼にこの愛を伝えてはいけないということ
だって
彼は生粋のヴィランズで
愛なんて嫌いなはずで
私がそんな感情を持っているなんて知ったら、軽蔑されてしまうかもしれない
嫌われたくない
ただの同僚でいいから
そばに居させて
そのためなら
愛を押し殺し、何事もなかったかのように振る舞おう
つらい思いをするのは、慣れてるから
心に仮面を被り、あなたの側へ
だからどうか
気付かないで
----------------
--------エイトフットside--------
翌日のAはいつも通りだった
余裕のある立ち振る舞い、完璧な仕事ぶり、適度なサービス
昨日は避けたように見えた俺への対応も全く問題ない
話しかけられると笑顔で答えてくる
だが
俺との距離は、一定の間隔を保ったまま
それ以上は絶対に近付いてこない
傍目に見ると違和感はないだろう
実際手下の奴らは誰も気付いてない
だが俺の心には、紙に滲むインクのようにじわりじわりと違和感が染み込む
“君がAを好きだとは知らなかったよ”
違う
愛なんてものじゃねぇ
俺は 欲しいだけだ
あの余裕のある表情が消えた時の あいつの顔が
見る者を全て虜にする あいつの魅力が
惹きつけて離さない あの黄色い瞳が
「エイトフット」
後ろから声をかけられた
振り返った先にいたのは、妙に真剣な眼差しをしたアップルポイズン
誰もいない廊下の真ん中に立つこいつは変に威圧感がある
「あんだよ、俺はこれから仕事あんだから用事なら手短に…」
「お前は、Aを自分のものだと言ったな」
ぴくり、眉が動く
俺の様子など気に留めず、アップルは言葉を続ける
「Aとお前は恋仲なのか」
「はぁ？んなもんじゃねーよ
大体俺達ヴィランズがそんならしくねぇ感情…」
「…ヴィランズが愛を持ってはいけないと、誰が決めた」
アップルの目は確実に俺を捉える
「私が女王様に抱く敬愛も愛だ
そして、Aに抱くこの好意も、愛だ」
「…は…」
「…自分の感情すら認められないお前とは違う
私は
Aを愛している」
心に亀裂が入った気がした
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うぐいす(プロフ) - ツクモさん» ツクモ様コメントありがとうございます！お返事遅くなり申し訳ありません…！！想像以上に続編希望のお声をいただき、始動させていただきました！よろしければご覧くださいませ！ (2018年12月3日 15時) (
レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ(プロフ) - 続編を希望です!!とても、いい話でした！ (2018年11月20日 1時) (レス) id: eb3706892f (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - にゃおさん» にゃお様コメントありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！続編のご希望も幸せです…！！にゃお様のご意見含めて検討させていただいてます！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - ステラさん» ステラ様コメントありがとうございます！私の夢を吐き出したこの作品で喜んでいただけたなら幸いです…！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
うぐいす(プロフ) - くるるさん» くるちゃんコメントありがとう…！こちらこそいつも読んでくれた上にコメントまでくれて幸せでした！ありがとうございます！！ (2018年11月17日 21時) (レス) id: 0d9abb39c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぐいす | 作成日時：2018年10月22日 13時
