一匹の悪役の話 (ページ9)

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6話ページ9

「おはよー…って何それ！！昨日会ったばかりでしょ！？なにその格好！！なんでそんなに仲良くなってるわけ！？」

「落ち着けジャックハート…」

「林檎ちゃんは気にならないの！？」

「誰が林檎ちゃんだ！！」

昨日の広間にマルフィさんと私が到着すると、
ジャックハート、アップルポイズン、ハーデス、ヴェールの4人が既に椅子に座っていた
抱えられた私を見て1番反応したのはジャックハートさんだけど、ほかの3人も大小はあるが驚いている様子がわかる
そりゃそうだよね…私達昨日初対面だもの…

「彼女はずっと海にいたから歩き方などがわからないらしくてね、ベッドから落ちた音を私が聞いてかけつけたのさ」

『…お恥ずかしい限りです…』

「え、そうなの？…なーんだー！びっくりしたー！！」

「まぁ！歩き方がわからないなら、わたくしがお教え致しましょう！」

そう言って立ち上がったのはヴェールさん
チリンチリンと右手の鐘を鳴らしながらマルフィさんが抱える私に向かってくると優雅に微笑みかけた

「マミさんとおっしゃいましたかしら？わたくしは…」

『ヴェールさん、だよね？』

「まぁ！そうですわ！
それではマミさん、わたくしの手をとって…そうですわ
そのまま…この部分、膝ともうしますの、ここに力を入れて…」

ヴェールさんのとても丁寧な説明と、マルフィさんの後ろからのサポートのおかげで、なんとか立つことができた
ジャックさんからはパチパチと拍手が聞こえる

「素晴らしいですわ！
そうしましたら、ゆっくり歩いてみましょう？
大丈夫です、わたくしが支えてますから」

「私も後ろから支えよう
もし転んだとしても安心したまえ」

…この人達ほんとにヴィランズなのかな
ものすごく親切にしてくれる…
同じ仲間だと、思ってくれてるからかな？
だとしたら……嬉しい

それからみんなが起きて広間にくるまでに、
私はなんとか普通に歩くことができるようになった
まだなんとなくぎこちないけどね

『ありがとうヴェールさん、マルフィさん』

「ヴェールで構いませんわ！同じ仲間じゃありませんか！」

「私もマルフィでいいよ」

「えーずるい！じゃあ僕も！ジャックって呼んでね！
っていうかみんな呼び捨てでいいんじゃないかな？ね！」

『…うん！』

不安が多かった仕事だけど、仲間が頼りになる人たちでよかった
これならなんとかやってけるかな…

モルガナ様、いい報告を待っててくださいね